普段シアターコクーンさんと仕事をさせていただく時は、脚本があっていろいろ決まっていることの中に入っていくのが基本。でも今回は、立ち上げから関わらせていただいて、何を作るかみんなで話し合うというところから作ってきました。フレミングがはっきりして作るものは硬質なイメージだけど、今回は生まれたての何かしらの柔らかさがあるような、そういったものを扱っている感触があります。
この作品は、配信と謳っていますが、当日は観客もいて僕としては不思議な感覚になると思います。いわゆる演劇を映像用に収録する作品ではないので、映像として楽しめる作品になっていると思います。その中で、華ちゃんと作り上げている言葉の世界、演劇の世界をどう体感してもらえることになるのか。まだ作り途中ですが(!)、生で見る、体感することが演劇体験なのならば、それって何だろうと一緒に考える時間になってほしいなと。
観劇に食指が動かない人や、演劇というものに抵抗がある人、いろんな角度の人からこの作品を見てもらってどう感じるのかを僕は知りたいです。
本番への手ごたえはまだわからないのですが、初めてご一緒する梅田さん、杉原さん(演出・美術:杉原邦生)と、これまで立たせてもらっていたシアターコクーンで、劇場のあらゆるものを使って一つの新しいかたちの作品が出来上がっていく、動き出していくのを体感できることがすごく楽しく、自分の中になかった新しい発見もあることがとても面白いです。
未來さんとの共演は、未來さんにどういうふうに見られているのかちょっと怖いです(笑)。未來さんが面白がってくれることをやりたいけど、自分も楽しんでいなければいけないし、観ている方をハっとさせたいし、そういう方が面白いと思うんです。
劇場に来たくても来られない方たち、舞台が好きな方たちにはもちろんそうですが、お芝居を観たことのない方が映像で観て、生でいつか観てみたいなとも思ってもらいたいです。パソコンや携帯、テレビなどの平面の中でもそこに座っているかのように劇場の空間を感じてもらえるように、頑張りたいです。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)