三河ことばにちょっぴり毒舌も交えて裕一を見守る吟の副音声解説は軽快で楽しく、徐々に重苦しい雰囲気に取り巻かれていく古山家の日常に花を添える。視聴者からも「吟ちゃんの解説かわいい!」「頑張りんねって響きがたまらん」「吟ちゃんのツッコミがドラマに溶け込んでて楽しい」など、副音声解説も交えてドラマを楽しむ声が飛び交う。
とはいえ、この頃の裕一はのちの妻・音(二階堂ふみ)にすら出会っておらず、音の姉である吟が当時の裕一の暮らしぶりを知るはずはない。未来の義姉・吟の視点から福島時代の裕一の苦悩の日々を辿ることは、現実にはあり得ない、ある意味ファンタジックな演出だ。
吟を演じる松井は副音声解説を担当するにあたり、「役としての副音声収録は初めてのことで、作品を見ながら楽しく声を入れさせていただきました」とコメントしている。役としての副音声解説だけでも異例なうえに、その時点でまだ出会っていない人物による視点、というさらにユニークな設定が加わった。
それが、吟のキュートでちょっと毒舌なキャラクター、それに福島弁飛び交う中での三河弁の異質さもあいまって、視聴者に新鮮な楽しみを与えている。
吟による副音声解説は11日放送の第12回まで。第13回からは、裕一の恩師・藤堂清晴(森山直太朗)による副音声解説が始まる。異例の朝ドラ再放送ならではの、期間限定の時空を超えた副音声解説を楽しみたい。(文=ザテレビジョンドラマ部)
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