「浅田家」の写真集を見て、何かになりたい気持ち、なり切る遊び心に心を奪われました。実際に同じシチュエーションで撮影してみて、こんなに楽しいのかと思いました。
また、撮っていくうちにどんどん家族らしくなっていくのが不思議でした。あの写真撮影のおかげで何の気負いもなく、心から楽しんで「浅田家」の一員になれたような気がします。
映画初日から異例も異例。リアル浅田家訪問が初顔合わせという耳を疑うユニークなスタート。生お母さんとの対面もプレッシャー以上にありがたく、監督の思いをズシリと重く感じる貴重な時間となりました。
超激レアコスプレもさることながら、多幸感に包まれる日々が撮了まで続くのでした。二宮さんは不思議にゆる~く、温かい空気感を漂わす方です。
演技のスイッチがどこで入ったか分からないほどの自然体! うれしいことに私を「かあちゃん」と呼んでくださいます。
中野監督とのお仕事は初めてでしたが、柔らかい雰囲気が常に流れている、温かい現場でした。浅田さんご本人が劇中の写真を撮られていて、こうして映画になっているご自分をどういう目線でご覧になってるんだろう…と興味深かったです。
二宮さんとは「母と暮せば」(2015年)以来の共演でしたが、現場の空気をすごく和やかにしてくださり、細やかなところに目を向けられる方だなと思いました。お芝居にもそういうところが出ているといいますか、気負わず演技ができるので楽しかったです。
写真集の「浅田家」を友達の家で見たことがあり、当時「面白いことするな」「家族っていいな」と笑いながら感動した記憶があります。そんな中この映画のお話を頂き脚本を読みびっくりしました。
1つは、震災が描かれていること。そしてもう1つは、表現者はやはり表だった行動で培われるだけではなく、日常にこそ愛情を持って接していること。その奥行きの深さに感動しました。
写真という景色と人と時代と文化が手に触れられる形で残るもの。あらためてそのぬくもりを大事にしたいな、という思いで参加させていただきました。いまだ続いている冷えてしまった心、どうか少しでも温かくなりますように。
平田さん、風吹さん、黒木さん、菅田さんが演じた4人は、全て実在する人物です。だからといって、似た人をキャスティングしたわけではありません。僕がお芝居を信じていて、ぜひ1度ご一緒したかった4人なんです。
平田さんには口数が少なく無骨だけど優しい父・章を、風吹さんには明るくハキハキしたキュートな母・順子を、黒木さんにはホワっと柔らかいのに行動力と信念のある恋人・若奈を、菅田さんには少しシャイで穏やかな中に情熱を秘めた東北で出会う小野を、それぞれ望みました。
結果、実在する4人と雰囲気や存在感まで、とても似ることになった役者魂に驚きました。平田さんと風吹さんは、見た目までそっくりです(笑)。
完成作品を見たとき、「あ~、このキャスティング以外ないな」と思えたとき、監督の心は安堵(あんど)とともに有頂天です。
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