広島・旧陸軍被服支廠解体案をめぐり戦争遺構の意義と保存の現実を見つめる

2020/07/30 20:00 配信

芸能一般

テレメンタリー2020「揺れる平和都市 〜被服支廠は残るのか〜」より(C)広島ホームテレビ


8月1日(土)の「テレメンタリー2020」(毎週土曜深夜4:30-5:00[日曜朝4:30-5:00]、テレビ朝日、※系列各局で放送)は、広島市南区にある旧陸軍被服支廠(ししょう)の解体案をめぐり、被爆建物の意義と保存の難しさの間で板挟みになる平和行政の実情を追った「揺れる平和都市 〜被服支廠は残るのか〜」を放送する。

広島市南区にある旧陸軍被服支廠は、現存する最大級の被爆建物だ。1945年8月6日、広島に投下された原子爆弾の爆心地から約2.7kmに位置し、原爆投下後には臨時救護所としても使われ、多くの人が亡くなっていく惨状を目撃した「物言わぬ証人」でもある。

2019年12月、広島県は管理する旧陸軍被服支廠3棟のうち1棟のみを保存する案を示した。その方針表明をきっかけに、被爆者団体や市民らからは存続を求める声が上がり、全棟存続か一部解体かの議論になっている。

かつて、同じように解体案があった原爆ドームは存続され、原爆被害の象徴となった。負の遺産を解体しなかったことは英断として評価されている。

被爆建物の持つ力を知る広島で、なぜ今、解体の議論が起こっているのか。行政の協議録をひもとくなどして被爆建物保存の難しさを検証。当時を知る被爆者の証言や資料をもとに被服支廠の歴史的価値も確認し、被爆75年の今、あらためて被爆遺構・戦争遺構の意義を考える。

制作は、広島ホームテレビ。担当プロデューサー・上重三四郎、担当ディレクター・山口和政。ナレーターをフリーアナウンサーの冨田奈央子が務める。

広島市出身の冨田は、「子どものころは地元の何気ない景色の一部にある被爆建物として見ていて、現存していることが当たり前のように思っていました。存続が議論される今、被爆者にとっては保存と解体、両方の気持ちが交錯する建物であることを今回初めて知ることができました」と述べている。

制作局の広島ホームテレビでは、8月6日(木)朝9:55より同番組を放送。制作を担当した上重プロデューサーと、山口ディレクターに取材した。

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