――劇中にはお二人が直接感情をぶつけあうシーンがありましたが、あのシーンの撮影を振り返っての感想を教えてください。
吉沢：あのシーンの撮影では、本当に誰もしゃべらなかったよね(笑)。
杉咲：そうですね(笑)。
吉沢：それまでは結構くだらない話もしていたんですけど、あのシーンを撮っているときは一言も会話を交わすことなく、ものすごい緊張感がありました。
杉咲：あのシーンだけカメラが2台ありましたよね。まだまだ撮るんだと思ったら、集中力を維持してければいけないなと思って、そこへのプレッシャーもあった気がします。
吉沢：頭から最後までを一連で撮っていて、それを10回ぐらいやったのかな。だから、結構しんどい撮影ではあったけど、とてもいい緊張感があったと思います。
――最後に、この映画で描かれる青春の痛み、青さ、痛みをどう感じたか教えてください。
吉沢：楓は傍から見たらどうしようもない男ですし、秋好のように彼のことを気持ち悪いと思う人もいると思います。でも、その身勝手さを完全に否定的できない自分もどこかにいて。たぶん、それは自分にもそういう部分があって、それを真正面から突きつけられるからこそを痛みを感じるのかなと。ああはなりたくないと思いつつも、分かってしまう自分がいるのも確かです。
杉咲：それは私も思いました。私自身も楓がわかるなという部分があって。でも、それは自分では目をそらしたくなるところでもあるんです。そういう意味でも、ただの青春映画じゃない、リアリティと深みのある作品になっていると思います。
吉沢：だからこそ共感していただける方も多いと思いますし、今の時代に響く映画になっていると思うので、ぜひ楽しみにしていてください！
取材・文＝馬場英美
この記事の関連情報はこちら（WEBサイト ザテレビジョン）