最終回直前!野木亜紀子が「MIU404」で描きたかったもの、そしてラストは?<「MIU404」インタビュー後編>

2020/09/04 09:36 配信

ドラマ インタビュー

存在感抜群のメロンパンカー(C)TBS


視聴者の皆さんにもメロンパンカーが愛されていた


――4機捜の車をメロンパンカーにしたのは野木さんのアイデアだそうですね。

通常の機捜車だと、かっこよくなりすぎというか、「(このドラマの設定は)かっこよくしないぞ」という思いからです(笑)。そこは新井(順子)Pとも一致していましたし、警察の人に取材したとき、「張り込みで移動販売車を使うこともある」と聞いていたので、「設定として、なくはないんだな」と。よく海外ドラマはリアリティーがあると言いますが、例えば「刑事ナッシュ・ブリッジス」だって黄色のオープンカーでしたし、すごく目立つけれど、それで成立するわけです。

MIU404」では扱う社会問題が重いものになりかねないので、どこかポップさがあったほうがいいとも考えました。「何の移動販売にする? チュロスじゃないし…」と新井Pと話し合ってメロンパンカーになりました。見た目がふざけすぎているので、あれが警察車両だと普通は思わないという点も、かえってカモフラージュになるのではないかと。「まるごとメロンパン」という(架空の)商品になったのは語感と思い付きです。ちなみに私自身は、もう20年くらいメロンパンを食べていません(笑)。

菅田将暉演じる久住は4機捜にとって強敵に!(C)TBS


――第10話のラストでは、久住(菅田将暉)の流したデマによって、メロンパンカーがテロリストの車だと誤解されネットの標的になってしまいました。

これまでもまったくバレていなかったわけではなく、ネットではバズらない程度に目撃情報が上がっていたという設定です。第5話を過ぎたところで、メロンパンカーが世間に警察車だと知られ、外装を塗り替えるという展開も考えました。あるいは黒いカッティングシートを貼ってスイカ号にするか?とか(笑)。

しかし、いろいろ鑑みた結果、終盤までメロンパンのままになりました。視聴者の皆さんにもメロンパンカーが愛されていたので、引っ張って正解だったのかなと思います。ただ、最後に404が追われる立場になるというのは企画段階から考えていましたね。劇中の“つぶったー”でメロンパンカーを見たという「#MIU404」のハッシュタグができ、実際にリアルタイムでドラマを見ながらTwitterをしている人とリンクしたら、ぞっとするんじゃないかと。