ピース・又吉直樹の独特の芸風が生まれたきっかけは父親の一言!

2020/09/23 12:00 配信

バラエティー

「第10回衛星放送オリジナル番組アワード」の授賞式に登壇した又吉直樹


「第10回衛星放送オリジナル番組アワード」の授賞式が9月1日に東京都内で開催され、バラエティ部門で最優秀賞を受賞した「生前葬TV―又吉直樹の生前葬のすゝめ―」(BS12 トゥエルビ)で司会を務める、ピース・又吉直樹が登壇した。

同番組は、“見届け人”の又吉がゲストを迎えて「その人の半生がいかなるものだったのか」を掘り下げていき、番組の中で彼らの生前葬を実際にプロデュースする新感覚バラエティー。「生前葬」をキーワードに、インタビュー形式で生い立ちなどを振り返り、「死ぬまでにやっておきたいこと」の発表、印象的な思い出を朗読劇で紹介、自身で選んだ遺影の公開、現在の自分からの弔辞という構成でゲストの半生をひもといていくという内容。ゲストは間寛平、岩井志麻子。

今回、授賞式直後の又吉にインタビューを行い、受賞の喜びや番組の魅力などについて語ってもらった。

【写真を見る】「生前葬TV―又吉直樹の生前葬のすゝめ―」の魅力を語ってくれた又吉直樹


「周りの芸人からもすごく反響がありました」


――受賞おめでとうございます。受賞した感想は?

初めて受賞の報せを聞いた時は本当に良かったな、と。

番組自体すごく面白かったですし、放送された後も周りの芸人から『あの空気感が面白くて、自分の遺影の前で本人が語っていたりギャグをやっていたりするのがめちゃめちゃ面白かった!』とすごく反響があったんです。

――「生前葬」という設定がとてもインパクトが強く印象的でした。

やっぱり『生前葬』という切り口が独特の面白さを生み出したんだと思います。普通にゲストの半生をひもといていくというのでは、ああいうふうな感じにはならないと思いますし。

あとは、ゲストのお2人の“人間としての奥深さ”というか“捉えようのない底知れなさ”がすごかったですね。

ゲストの2人を尊敬しているという又吉


――ご自身が感じられている番組の魅力は?

誰かがお亡くなりになって、その方の特別番組が放送された後に『この人、こんなに周りの人に対して優しさを持ってたんや』とか『こういうお仕事もなさってたんや』って、その人の魅力に後から気付いてファンになるみたいな経験を、皆さんされていると思うんです。

それはそれですごく意味があることだと思うんですけど、この番組の『ゲストがご存命のうちにその人の魅力に光を当てていく』というのが、価値を規定するのではなく広げていっていて、そこがすごくいいなと思っています。テレビに限らず『この人はこうや』って一つの視点で論じるのって、面白いんですけど面白さと引き換えに(その人の魅力に触れられる範囲を)狭めてしまっているなって感じるんです。

でもこの番組はその逆というか、なんとなくみんなが『この人はこういう人や』って思っていた固まったイメージをほぐして広げている。そんな、世の中の面白いものや魅力的なものを増やしていっているというような表現がすごく好きですね。

――「見届け人」という司会のポジションながら、進行より聞き役に徹していらっしゃるように感じたのですが、ご自身で意識したことなどはありますか?

謙遜とかではなく、正直、葬儀が似合うということだけで呼ばれたと思っていて、『体調だけ整えてたら大丈夫やろ』って思って現場に向かったので何も意識はしてないです(笑)。

ただ、偶然にもゲストの寛平師匠と岩井志麻子さんのことを元々尊敬していたので、そういう方たちの話を聞きたかったというのがありますね。話の途中で『おかしいじゃないですか!』『変じゃないですか!』って言うとその瞬間は盛り上がると思うんですけど、盛り上がってしまうとそこで話が終わってしまう。でも僕は『なんでそう思ったのか』『なんでその考えに至ったのか』というような“続き”が聞きたかったから(苦笑)。だから、たまたま僕の大好きな方がゲストだったという組み合わせが良かったんじゃないですかね。

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