人から言われたことや自分の願望が、いつの間にか言葉の呪縛となって自分を苦しめていることってあると思うんです。千歳にとってはそれが“普通”という言葉。
今回出演させていただくにあたり、私自身も考えさせられました。薬との向き合い方、自分との向き合い方にそっと寄り添ってくれるみどりさんたちの存在に、かたくなな心が解けていく温かみを覚えました。1人でも多くの方にこの物語が届きますように。
私が演じる世津子の最初の印象は“世間から孤立している母親”でした。でも監督のきめ細やかな舞台づくり、演出の中で、それは“何が何でも娘を守るんだという強い意志”の表れなのだと深く理解しました。私も娘を持つ立場として、この母親がどんなに精神的につらかったか、痛いほどに感じました。
最終回から撮影に参加することは、何年この仕事をしていても緊張することですが、監督や主演の石原さとみさん、スタッフの皆さまが入りやすい環境を作ってくださったおかげで、安心して演じることができました。少しでも多くの方にご覧いただけたらうれしいです。
出演のお話をいただく前から、一視聴者として拝見していましたので、台本をいただいたときはいち早く読みたいような、終わってほしくなくて読みたくないような、みどりさんたちをのぞき見するような気持ちで拝読しました。
お薬を内服することは、大きな願いとともに、同じくらい大きな不安があると思います。最終話は、小さな命を授かった妊婦さんたちのお話です。複雑な心境を生きる人たちをとても丁寧に描いてくださり、現場では気持ちも引き締まりました。ぜひご期待ください。
台本を読むだけで病院の日常がリアルに目に浮かびました。ナースステーションでのちょっとした和み時間、救急の搬送、緊急の手術。医療スタッフは切り替えのプロでもあるのですね。
私が実生活でお世話になった助産師さんは本当にパワフルで頼もしくて前向きな方です。“後ろを向いている暇など一切ない!”という感じの人。彼女を念頭に置いて演じました。最終回です。でも“そして人生は続く”のです。お楽しみに。
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