2020年度前期の“朝ドラ”こと連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。本放送が再開された同作について、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が解説する。(以下、一部ネタバレが含まれます)
コロナ禍による撮影中断のため、6月29日より第1回からの再放送が行われていた“朝ドラ”こと連続テレビ小説「エール」。9月14日(月)から本放送が再開された。休止中は1話から65話までの再放送で、本放送再開の66話から自然につながって見られる配慮がされていた。また、再放送の副音声として、出演者たちが週替わりで、役になりきってドラマの解説をするという工夫も凝らされた。
こんなことは1961年から続いている朝ドラ史上はじめてのこと。特別なニュースのために一回分放送休止になることがごくたまにあるくらいで、長い休止は、「おしん」(1987年)放送時。主演の田中裕子が体調を壊したため1カ月撮影を休止、本編を1週間休みにし、代わりに子役の小林綾子がおしんの故郷・山形を紹介するドキュメンタリー番組を放送したことがあった。今回はそれ以来の最大の事件であろう。しかも、話数も10話短縮されることになった。これは残念。
こういうアクシデントに出くわすと、1961年から、休むことなく、半年ないし1年間の連続ドラマを59年間、102作、作り続けているということはすごいことだと改めて感じる。2020年、朝ドラファンにとって忘れられない年になりそうだ。