膳場貴子キャスターインタビュー「『報道特集』はテレビの良識を担う番組だと思っています」

2020/10/10 09:00 配信

芸能一般

「報道特集」の財産、武器とは?


膳場貴子キャスター(TBS「報道特集」)撮影=阿部岳人


――継続して取材をなさっていることはありますか?

東日本大震災の際は「NEWS23」を担当していたのですが、オンエアの有無にかかわらず、毎週のように現地に足を運んで多くの方にお会いしてきました。それは継続したいと思い、「報道特集」でも毎年気仙沼などを訪れ、地域の皆さんの歩みや復興の様子を取材しています。来年で震災から10年ですが、節目を過ぎても継続して行きたいです。

――スタートから40年続く「報道特集」の財産、武器は何ですか?

キャリアのあるディレクターが多いことでしょうか。記者として政治や経済、社会部の第一線で実績を上げてきた人や、海外支局勤務を経験した人、長年取材をしてきたテーマを持っている人も多く、強みは彼らの専門性です。みんなで知恵やネットワークを持ち寄って独自目線で番組を作っていけるのは大きな武器ですね。

ウイークリーであることも強みになるのかもしれません。デイリーニュースではどうしても時間の制約が厳しくなりますが、週1回の番組なので、比較的じっくりと時間をかけて制作することができます。そうしたことが番組の力になっていると思います。

そして、当事者の言葉を大事にし、調査報道に取り組むこと。これが番組の本質で一番の武器です。

――ベテランが大活躍する中、若いスタッフはどんな仕事ぶりなのでしょう?

志のある若いスタッフが多く、ベテランに一生懸命食らいついています。キャスターと二人三脚で現場取材をする中からも、多くのことを学んでもらえていると思います。

取材のバックアップ体制があることや、放送するまでの議論の回数、プレビューの回数を考えると、若手がしっかりと育っていく番組。報道特集を離れても、彼らはテレビのドキュメンタリーや調査報道を担っていってくれると思います。