――高嶋政伸さん演じる捜査一課の刑事・宮藤の「マスコミはセイレーンだ。視聴者を耳触りのいい言葉で誘って、真実と名付けた娯楽の中に引きずり込む」というせりふは、本作のテーマと言える言葉だと思いますが、作品と向き合う中で新木さんはこのせりふをどのように受け止められましたか。
新木:その通りと言えばその通りだなとは思うんですが、そこにその人の行動だったり、メディアを通して自分が発言したことに対して責任が伴っているのであれば、それは「正義」なのかなとも思いました。
――本作ではその言葉以外にも、兵頭の「数字が上がる音が聞こえる」のような刺激的なせりふが数多く登場してきます。新木さんの中で特に印象に残っているせりふはありますか。
新木:「スクープは生もの、鮮度が大切」という兵頭さんのせりふがあるんですが、本当に報道記者の皆さんの中でもそうなんだろうなと。
「今自分が撮ってきた“とれたての映像”を、熟すまで待っていて腐らせるわけにはいかない」という思いは、報道記者の皆さんが常に思っていらっしゃるようなリアルなせりふなんだろうと思うので、私の中でもすごく印象に残りました。
――もし一日報道の現場で働くとしたら、どんなことを取材してみたいですか。
新木:スポーツの現場を取材したいです。お客さんとして見る視点とはまた違う、記者の方ならではの考察や視点というものがあると思うので、面白そうですね。グラウンドのすぐ近くで、取材という形で競技に触れてみたいです。
――最後に、本作の見どころや期待してほしいところを交えて、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします!
新木:今回は「報道サスペンス」という、私自身も初めてですし、あまり見ることのないジャンルの作品だと思うので、まず新鮮に楽しんでいただけると思います。
犯人を追い、真相にたどり着くというサスペンスならではの楽しみもありますが、その部分が本当に深いというか一筋縄ではいかない展開で。スッキリはするんですけど、真相がわかってからモヤモヤしてしまうという、演じていても考えさせられる物語になっています。
結末も、きっと見ていただく皆さんの考える糧になるような作品というか、新しい自分の考えを構築していくきっかけになる作品だと思います。
それから、今回は共演者の皆さんのキャラクターがそれぞれすごく光っていて。キャラクター一人一人が本当に面白いです。リアルでシリアスな場面もあれば、それぞれのキャラが色濃く、ちょっと笑えるくらいに見える場面もありますし、それらが物語の中で上手く重なり合って一つのものになっていきます。
予想しては裏切られてというのがサスペンスの面白いところだと思うんですが、それを繰り返していくことで、真相を知った時にまた自分の考えが結構変わっていたり。
私自身は「自分が犯人だったら」とか、キーパーソンの気持ちになってみるとか、この作品のキャラクター一人一人になったつもりで見るとすごく楽しかったので、皆さんもそうやって見ていただけたらより楽しめるのではないかと思います。
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