小林幸子×松岡充「もう一度、白に戻せばいい」驚異のユニット・シロクマが発信する“生き様”

2020/10/10 12:00 配信

音楽

小林幸子×松岡充による驚異のユニット・シロクマ撮影=阿部岳人


演歌の女王・小林幸子とロックボーカリスト・松岡充がユニット“シロクマ”を結成。イベントでの共演をきっかけに親交を深めた二人が、ジャンルを超えて一つの作品を創り上げた。10月7日リリース、シロクマ初のシングル「しろくろましろ」のことをメインに、ユニット結成の経緯やユニットとしての今後の展望について話を聞かせてもらった。

曲を創るにあたって僕は小林幸子さんにならなければいけないと思った(松岡)


――小林幸子さんと松岡充さんがユニットを結成したと聴いた時、正直驚きました。

小林:驚きますよね(笑)。でもね、私は以前から何か一緒にできればいいなと思っていたんです。2018年のニコニコ動画のイベント(「ニコニコ超パーティー2018」)で、「存在証明」という曲を二人で歌ったんです。声ってそれぞれ声質が違うので、良し悪しじゃなくて、“合う”“合わない”というのがあるんですよね。

――声の“相性”みたいな感じですね。

小林:そうです。松岡くんと歌った時、すごく相性がいいなって感じたんです。その時に「また一緒に歌う機会があればいいな」って。ご存知の方が多いと思いますけど、松岡くんの才能は多岐にわたっていて、私からは絶対生まれてこないような発想を持っていたりするので、もちろん私もこれまでにいろんなことをやってきましたけれど、松岡くんだったら違った一面を引き出してもらえるんじゃないかなって思ったんです。それで、ちょっとしたタイミングで、「曲を作ってくれませんか」とお願いしました。

――松岡さんも「いつか一緒に」と思っていたんですか?

松岡:いやいや(笑)。年に一回、「ニコニコ超会議」というイベントでご一緒させていただくのを楽しみにしていて、「今年も幸子さんに会えるんだな」とか、そういう楽しみな気持ちはありましたけど、“一緒に何かを”なんて、そんな畏れ多いことは考えたことなかったです(笑)。なので、こんなお話を幸子さんから直々にいただくとは予想もしてなかったですし、逆に「何をおっしゃってるんですか?」って言葉が出そうになったぐらいです(笑)。

――小林さんの熱意や想いに動かされたということでしょうか。

松岡:はい。ボーカリストとしても、人としてもリスペクトしています。だからこそ、その幸子さんの想いに恥じない曲を創らなければという気持ちになりました。どんな職業の人でも、どんなポジションにいても、自分の人生を振り返った時、「こんな人生だったな」って“生き様”を感じると思うんですけど、歌手にとってそれは“歌”だと思うんです。自分自身を投影できる血肉となった作品を大切にし、それを誰かに届けようとする。幸子さんの曲を創ることは、幸子さんの血肉となる1曲を創らせていただけるという意味だと思いました。そのためには僕は小林幸子さんにならないといけないなって。創作期間が限られていたので、幸子さんの歌をずっと聴きながら、幸子さんの書かれた本やインタビュー記事を読んだりもして、歌詞は書きました。

小林:松岡くんに直接取材されましたからね。心の中の声を引き出してもらった感じです。松岡くんが作ったんですけど、私が作詞したんじゃないかっていうぐらい、私が思っていること、考えていることが歌詞になっていて、「しろくろましろ」、本当にいい歌なんです。

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