――前作に続いてのご出演になりますね?
そうなんですよ。まさか同じ役を演じさせていただけると思っていなかったので、びっくりしました。でも、役者にとってこれ以上、光栄なことはありません。もちろん架空の人物ですけど、薄井佐知はすごく好きな役です。ぶっ飛んではいますけど、情深くて温かい面を持ち合わせている役はあまりいただくことがなくて。自分の芝居を見返すことはほとんどないんですけど、佐知はこの1年間、何回も見ていたので、今回のお話をいただけて本当にうれしかったです。「アウト×デラックス」で獲得した役なので、すぐにマツコデラックスさんに報告しました。
――台本を読まれた感想は?
今回はおそらく誰かとチラッとすれ違うぐらいだと思っていたので、台本を読むまでは冷静でいようと努めていたんです。そんな中で台本をいただいたら「プロデューサー、監督、皆さんありがとう!」となりました(笑)。出番を多くいただけました。佐知が助産師でも風貌は変わっていないとか、そしてメチャクチャお金に困っているんです。お金に関するシーンは、思い切り、切なく演じようと思っています。まだ、苦労しているようですよ。何と言っても名前が薄井佐知ですから(笑)。
――同じ役を長く演じたことは?
それこそ朝ドラ、昼ドラは長いですし、舞台も再演、再々演という形で演じることはあります。あるにはあるのですが、今回のような喜びはありません。役柄は一度演じたら、次の役に向けて一度捨ててしまうんです。でも、佐知は心に残っていた役なので、それを再び生き返らせることができるのは本当に幸せです。撮影に入るまで、ずっと「私って幸せだな」と思っていました。でも、同時に前回同様のプレッシャーもありました。「どうしよう?」という緊張感が収録日の朝まであったんですけど、いざ佐知を演じてみたら「あっ、この感じだ」とすぐに思い出しました。ただ、自分で1年前の自分の物まねにならないよう、自然に演じるよう心掛けています。
――まだ不安な時期ではありますが、いかが過ごされていらっしゃいましたか?
本当に気を付けても気をつけても足りないぐらいで、私も含めてみんなが戸惑っている状況ですが、こうして撮影を再開してくださったのはありがたいです。私自身はすごく神経質なので、仕事以外一切外出しない生活をしていたら、体力が落ち過ぎてしまいました。もともと体力はある方ではないのですが、もっと落ちていて…。でも、それが普通だと思って過ごしていたら、精神的にもめいってしまいました。そんな中、久しぶりにお芝居ができる環境に戻していただけたので元気が出ました。こんなにエネルギーがあったのか?と思うほど。本当に私は芝居が好きなんだと再認識しました。時々、女優なんですけど(笑)。
――深田さんや皆さんと再会されていかがでしたか?
一年前は芝居とはまた別に、緊張していて…。皆さんの前では、私だけ固まっているような状態でした(笑)。今回は、皆さんと普通にお話しして、勝手に「ルパンの娘」組の中に入っているような仲間意識が勝手に芽生えています(笑)。リラックスして過ごさせていただいてます。
――最後にご出演の「ルパンの娘」2話の見どころをお聞かせ下さい。
2話は台本を読んでいても演じていても、佐知と華がちょっと鳥肌が立つような再会をします。これだけお互いへの愛が深かったんだと感じました。華を包む三雲家には愛があって、口は悪いですが佐知も愛を持っています。愛って血のつながりを超えるぐらい強いものなんだと個人的に思いました。「ここまで人のために熱く、愛を注げるのか?」と。今は時代的には冷めているじゃないですか? ですから余計に思うのかもしれません。ここまで熱くなれるのは芝居していても気持ち良かったです。どちらかというと昭和的な? 寅さん的な感じなのかもしれません。皆さんにも愛ってすごいなと見ていただきたいです。
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