――祷さんのキャスティング理由をお教えください。
森田「もともと脚本を書いている時から当て書きというか、祷さんがやってくれたらいいなと思って書いていました。祷さんが12歳の時に出演した『Dressing Up』を見て、その雰囲気に引っ張られていますが、もっともっと成熟した感じになって、より不気味さがありました」
――園子温監督の『冷たい熱帯魚』を彷彿とさせるような死体をバラバラにするシーンもありましたが、『冷たい熱帯魚』で殺人鬼役だった黒沢あすかさんが、母性いっぱいの、主人公の過保護なお母さん役だったのが面白かったです。ご一緒していかがでしたか?
森田「魅力的な方でした。顔合わせをした時にちょっと話をしたんですけれど、黒沢さんはこの話に関するご自身の想いを伝える時に、すごく泣かれたんです。だから演じた時も過剰なまでの過保護なお母さんで、僕の中ではいいお母さん役をやってくださいました。映画で見てきた役者さんが自分の映画に出てくださり、感傷的になりました」
――木下ほうかさんも、ぴったりの役でしたね?
森田「木下さんは物凄い経歴なのに、黒沢さんも川瀬さんも大西さんもそうですが、心意気で参加してくださっていると思うんです。あれだけの自分の考えを持って来てくださるのは、すごく助かりました。二人との掛け合いをどうするかとなった時に、木下さんが『こうでこうでこうだよね。俺こうするからさ、こうした方がいいんじゃない?』と言ってくださいました。引き出しが多いんでしょうね。こういうシーンだったらこういう風にした方が面白いんじゃないかというアイデアがありました」
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