平成27年度後期のNHKの連続テレビ小説「あさが来た」の制作発表記者会見が1月14日、NHK大阪放送局で行われ、エグゼクティブ・プロデューサーの佐野元彦氏と、脚本を担当する大森美香氏が登場した。
現在放送中の「マッサン」、3月から放送予定の「まれ」に続いて93作品目となる本作は、舞台が連続テレビ小説初の「幕末」からスタートする。ヒロインのモデルとなるのは、時代に先駆け、銀行の設立、生命保険の創業に携わり、後には日本最初の女子大学設立に尽力した実在の人物・広岡浅子。“お金儲け”のためではなく“今よりも少しでもみんなが幸せな世の中の実現”のため、大阪で実業家として生き抜いたヒロインの物語だ。主人公を陰で支えた夫との愛や主人公を取り巻く個性豊かな家族たちとの人情劇を交え、転んでも転んでも起き上っていく力強い女性の姿が描かれる。
佐野EPは「さまざまな分野で女性の活躍が、期待されている今ですが、はるか昔、幕末から明治、大正にかけて、これほどの活躍をした女性が大阪にいたということを大阪の図書館で見つけた時の私の驚きはとても大きなものでした。女性に参政権が認められていない幕末から明治期に信じられないような仕事をたくさん実現させたのは、その彼女を一生、黒子のように、そして陽気に支えた夫の存在があったからなんだと発見しました。その夫婦の物語をフィクションとして描いてみたいと思いました。これからの世の中で、女性が幅広く活躍できるよう、社会がいろんな準備をしていかなくてはならないと思うのですが、私は、それぞれの夫婦ごとに夫のありようというのも今後問われていくと思います。今回のドラマが、世の中への問いかけの一つ、きっかけになればいいなと思っています」とコメントした。
一方、大森氏は「この『あさが来た』の主人公の“あさ”という女性は、一言で言うと、大変頼もしい女性です。幕末から明治にかけての京都の名門の商家に生まれ、『女の子は学問をしてはならない』『本を読んではいけない』と言われ、すごく幼い頃から許嫁(いいなずけ)も決められていて、嫁ぐ先も決まっているという、少し閉塞感のある時代の中で、実にのびのびと、男まさりでありながら、女性らしいしなやかさ、柔らかさを忘れずに生きた女性です。こういう女性が誕生したのは、支えてくれる“優しくて面白い旦那さん”、そして彼女を理解し応援してくれる家族やたくさんの方々がいたからだと思います。その人間模様をたくさん描いていけたらなと思っています。『朝が来て良かった』と思ってもらえるような、明るくて楽しい朝を皆様に毎日お送りすることができたらな、と思っています」と意気込みを口にした。
なお、ヒロインは今後、オーディションで選ばれ、放送は9月28日(月)よりスタートする。
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