“お金恐怖症”のため、自給自足の生活を送ろうと、田舎のかむろば村にやって来た男と、その男を受け入れた村人たちとの騒動を描く映画「ジヌよさらば~かむろば村へ~」が公開初日を迎え、出演する松田龍平、阿部サダヲ、二階堂ふみ、西田敏行、監督と脚本も務めた松尾スズキが登壇し、舞台あいさつを行った。
本作は、漫画家・いがらしみきおの「かむろば村へ」が原作。金に触るだけで激しいめまいに襲われ失神してしまう“お金恐怖症”になった元銀行マン・武晴、通称・タケ(松田)が、金を使わない生活を始めるため村へやって来る。
世話焼きな村長の与三郎(阿部)や、与三郎の妻・亜希子(松たか子)、女子高校生の青葉(二階堂)、不思議な力を持つなかぬっさん(西田)と交流していく中、迫る村長選挙をめぐる陰謀にタケは巻き込まれていく。
主演の松田は、松尾の演出について「毎シーンいろいろ提案していただきました。言葉では伝えにくい動きなんかは、松尾さん自身が動いて見せてくれるんですけど、松尾さんは動きが特殊なので、『こうやって』って言われるけど『できないです』みたいなことばかりでした(笑)。自分なりに意志をくみとりながらやらせてもらいました」と苦言を呈した。
それに対して松尾は、「いかにもコメディーをやりそうな人がそういうことをやっても面白くないと思うんで、やりそうにない松田くんがやることに意義があると思ってやってもらいました」と確信犯であることを告白した。
阿部は、まきを背負いながら川に飛び込む危険なシーンがあったことについて触れ、「あれは台本に書いていない監督の思い付きで、『阿部だったら落ちてもいいだろう』みたいな感じでした(笑)。本当に真っ暗で、下に何があるか分からないようなところで安全面とかも心配だったんですけど、けががなくてよかったです」と再び監督にクレームが。
松尾は「『阿部ならいいだろう』じゃなくて、『阿部ならできるだろう』です。信頼です!」とうまく切り返してみせた。
留学中に作品の依頼を受け、今回の脚本を読んですぐに日本に帰ってきたという二階堂は、オファーを受けた理由を「脚本を読んで、『少年ジャンプ』の後ろ側にあるお色気漫画みたいな立ち位置になれるような気がしました。今まであまりなかった役なので、いいなと思ったんです」と役どころに引かれたことを告白。
二階堂が「どうだったでしょうか。さらけ出したつもりです」と問い掛けると、観客から大きな拍手が。喜ぶ二階堂に、松尾は「パンチラに拍手が起きたのは映画史上初めてだね(笑)」とコメントし、笑いを誘った。
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