8月10日(月)に放送されるスペシャルドラマ「戦後70年『一番電車が走った』」(NHK総合)の会見が行われ、主演の黒島結菜と阿部寛が登壇した。
「一番電車が走った」は、原爆投下後の広島を舞台にしたドラマ。広島復興のため路面電車の復旧に当たった電鉄社員・松浦(阿部)と、戦地に赴いた男性の代わりに運転士を務めた少女・豊子(黒島)ら女学生の交流を描く。
それぞれ役衣装で会見に登場した10代の黒島、50代の阿部は「若い人に見てほしい」と口をそろえた。
役のモデルの女性に会ったという黒島は、「実話を基にしているドラマなので、実際に豊子さんにもお会いして、たくさんお話を聞きました。広島で起こったことは信じられなくて、お話を聞いていても悲しい気持ちになりましたが、そんな中でも“未来に向かって生きていく”という女の子を演じられることは、とてもありがたいことだと思っています」とコメント。
さらに、「このドラマを私と同じ10代の皆さんに見ていただき、人それぞれ感じることは違うと思うのですが、何かを感じていただければうれしいです」とアピールした。
一方阿部は「若い人はすごくプラス思考で、あまりマイナスなことは見ようとしない。なるべく避けていく。自分も多分そうでした。高校生、16歳か17歳の時に原爆資料館に行き、確かにすごく衝撃を受けました。しかし、今、その時にどういう心情だったのかを思い出そうとしてみましたが、資料館のことをあまり覚えていませんでした」と告白。
“戦争の恐ろしさ”を伝えるのは難しいとしながらも、「岸(善幸)監督の演出が、豊子の心の葛藤を非常に繊細に、言葉でなくても通じるように表現していると思うので、そこから若い方がいろんなことを感じていただければと思います。そして、『本当に、戦争はあってはならない』ということも感じてもらいたい」と期待を寄せた。
被爆地・広島を舞台にした本作。演技について聞かれた黒島は「お芝居をする時は(当時の状況を)考えるというよりも、その時、現場で感じたままを表現したいと思っていました。美術のスタッフさんが、当時の状況をものすごくリアルに再現してくれたので、自然に感じたまま表現することができたと思います」と満足のいく撮影だったと語った。
また、阿部は「(松浦の)子供3人と一緒のシーンがありましたが、やはり戦争で犠牲になるのは子供たちだと思いました。子供たちとのシーンはすごく楽しいシーンではあるのだけど、そこを演じることによって、戦争の悲しさをより深く表現できるのだろうと思いました」と印象に残ったシーンを挙げていた。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)