9月5日(土)と9月12日(土)に前後編で放送される、放送90年ドラマ「『経世済民の男』小林一三」(夜9:00-9:58NHK総合)。放送に先駆け、試写会と会見が行われ、主演の阿部サダヲが登壇した。
「経世済民の男」は近代日本の礎となった経済人を取り上げるシリーズ。8月22日(土)、8月29日(土)にはオダギリジョー主演の「高橋是清」(前後編)、9月19日(土)には吉田鋼太郎主演「鬼と呼ばれた男~松永安左ェ門」が放送される。
阿部が演じるのは、阪急電鉄や阪急百貨店、宝塚歌劇団などの創設者として知られる小林一三。落ちこぼれ銀行員だった一三が、人生の師となる上司・岩下(奥田瑛二)との出会いを経て、事業の面白さを知り、弱小電鉄を大企業へと成長させるまでを描く。
会見に登場した阿部は、「経世済民と聞くと難しく感じると思いますが、分かりやすくできていると思いますし、自分が演じることで笑える作品にできていたらいいなと思います」とコメント。
その言葉通り、作品には随所に阿部らしいコミカルなシーンが折り込まれる。中でも、のちに小林の妻となる芸子見習い・コウ(瀧本美織)との出会いの場面は、阿部も「(映画)『舞妓Haaaan!!!』('07年)を思い出しました(笑)。(脚本家が)狙って書いてくださっているのかと思うせりふもあって…」と明かすように、自身の主演作を彷彿(ほうふつ)とさせるコミカルな仕上がりになっている。
そのコウを演じる瀧本とは、俳優活動と並行してバンド活動を行っている者同士ということで、撮影合間にバンドの話で盛り上がったという。瀧本の演技については、「一三がコウを裏切って、コウが泣いてしまうんですが、本番で瀧本さんの目からドーッと涙が流れたのが印象的でした。本当に悪いことしちゃいけないなと思いました」と語った。
一三の人生とビジネスの師・岩下を演じた奥田については、「初めてお会いしたんですが、懐中時計を出すしぐさとか本当に格好よくて、男として憧れました。撮影合間にもためになる話をしてくれて、一三もこういう人に出会って人生が変わったんだなと感じました」と、奥田の佇まいに岩下が重なったという。
また、本編では創設当時の宝塚歌劇団の姿も描かれ、男性としては異例の“大階段”に上るという体験をした阿部。共演したタカラジェンヌたちからは、「前を見て真っすぐ降りた方がいいですよ」といった舞台での振る舞いの他、「リーゼントの作り方や、どこのスプレーがいいですよというアドバイス」を受けたと語り、会場を笑わせた。
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