BS・CS放送の日本映画専門チャンネルと時代劇専門チャンネルの戦後70年共同企画として、「占領下のNIPPONキネマ」が8月15日(土)から両チャンネルにて特別編成番組が放送される。
本企画のオリジナルドラマ「チャンバラが消えた日」は米国GHQによる日本占領下の時代、チャンバラの撮影が禁止された京都の撮影所で、検閲に抗う撮影スタッフの奮闘を描いた、実話を基にした物語だ。GHQ検閲官の通訳・瀧澤紅子役として出演する鈴木杏に、見どころや共演者などについて聞いた。
―ストーリーを聞いた感想は?
そんな時代があったんだ、という驚きと、それを乗り越えてくれた先輩方がいたからこそ、今の時代に時代劇が撮れているんだという感謝の気持ちと、それに今まで気付かなかったことへの反省というか、こういう人たちがいたということを忘れてはいけないなと思いました。
―共演された“5万回斬られた男”福本清三さんの印象は?
かっこよかったです!すごい存在感をお持ちなのに、いい意味で怖さがないというか、自然体で「ただのおじいちゃんだから」なんてこともおっしゃる方で(笑)。そのたたずまいに惚れぼれとしてしまいました。言葉では上手く言い表せない方です。すごい人に出会ってしまいました。
―京都の撮影所はいかがでしたか?
撮影所は15年ぶりくらいでしたので、ものすごく久しぶりにお会いしたスタッフの方が多くて、懐かしいような照れくさいような気持でした。子役時代は、怖い場所だと思っていたので毎回どきどきしていましたが、今回も最初に衣裳部屋などに入る時は、やはり少し緊張しました。でも別の撮影で入っていた知人と偶然メイク室で会って談笑したり、ということも。今では作品ごとに支度部屋がばらばらなことも多いので、昔ながらの感じが何だかとてもいい雰囲気で、素敵だなと思いました。
―今回は日系人の通訳という役でしたが、演じてみていかがだったのでしょうか?
やはり難しかったです。「生きていくために通訳になった」という紅子のせりふからも分かるように、日系人という立場の彼女自身も必死で、日本と米国、どちらにも寄りきれないでいる葛藤があり、まさに時代のはざまにいた人だったんだなと思いました。冷徹な感じを出しつつも、徐々に自身の日本人の部分に気付いていくところ大事にしたいなと思っていました。
―今後チャンバラの方も挑戦したいという気持ちはありますか?
自分にはどこか少年のような部分もあるので、実はチャンバラが結構好きなんです。これまでにも何度か殺陣を経験してきましたが本当に難しい。女性には機会が本当に少ないものなので、またぜひ挑戦してみたいです。
―“斬られ役”の福本さんを斬る機会もあるかもしれませんね
それはおそれ多いです(笑)。でも私がどんなに下手な殺陣をしても、福本さんだったら上手に斬られてくださるだろうから、殺陣も少しはましに見えるかなと思います。
―最後に視聴者へのメッセージをお願いします
時代劇は本当にたくさんありますが、この「チャンバラが消えた日」はまた新しい視点を与えてくれる作品だと思います。本作を見て頂いた後に他の時代劇、それこそチャンバラものを見てみると、私自身がそうだったように、戦後の撮影所に生きていた人たちの息吹が感じられて、新鮮な気持ちになれるのではないかなと思います。
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