毎週金曜に放送の遠藤憲一・菅田将暉W主演の金曜ナイトドラマ「民王」(テレビ朝日系)で、武藤泰山総理の右腕として働く官房長官・狩屋孝司を演じる金田明夫にインタビューを敢行。
後半は主演を務める遠藤と菅田の魅力や、軍議の間などのセットの印象、ストレス解消などについて語ってもらった。
【“カリヤン”金田明夫「本仮屋はかわいい生徒です」】より続く。
――台本を読まれた感想は?
それが…すごく面白いんですよ! 撮影の合間にみんなで「台本面白いよね」と言っています。でも、これはみんなの共通認識なんですけど、台本が面白いときは気を付けようねって。役者が役の上で楽しんで演じるのはいいんですけど、たまに面白いって思っちゃうと、役者自身が楽しんじゃうときがあるんです。そうするとこういうコメディーはグズグズになっちゃう恐れがあるんですよ。
遠藤さんもベテランだし、高橋一生さんも戒めとしてそれは分かっているんですが、菅田くんもそれを分かっているんですよ。22歳の若さで。そういう意味では、真面目に面白いことをやろうよと言っています。
特に遠藤さんは本当に切なくて悲しい息子をやっていらっしゃるので、真面目にやればやるほど面白いじゃないですか(笑)。僕らも変におちゃらけたり、面白さの押し売りをしたりしないようにしないと。笑わせることより、ドラマの中でわれわれが生きていくことの方が大切だなというのは常に意識していました。本が面白いときこそ気を付けないと、と思ってやっています。
――体育座りをする遠藤さんはなかなか見られないですよね(笑)。
そうでしょう? それに遠慮しない菅田くんが平気で(遠藤)憲ちゃんの頭を引っぱたいたり、顔をいじったりして(笑)。いま芸能界であの遠藤憲一にこれをできるのは菅田くんだけじゃないですか?
菅田くんにそれを言ったら「確かに!」って屈託のない笑みを浮かべていましたよ。そこが遠慮のない菅田くんのすがすがしさですね。そういうのは常に感じますね。
――では、あらためて役者・遠藤憲一、菅田将暉それぞれの魅力を教えてください。
憲ちゃんは昔からリアリティーのある素晴らしい俳優だということは分かっていました。今回どういう風に20歳の息子を演じるのかなって思っていたら、僕が思っている以上にリアルに、そして悲しくやってくれているのですごく良かったですね。彼が悲しくやることが視聴者にとって面白おかしいと思うことにつながるはずなので。
菅田くんは大人ですよね。よく本人にも伝えるんですけど「俺が菅田くんと同じ年のころなんて、『よ~いハイ!』って合図送られても真っすぐ歩けなかったよ。すごいね~」って。そう言うと彼は「そうですか?」って平然と切り返すから、悔しくて「いや、これから駄目になる可能性もあるけどね」って言っちゃうけど(笑)。
でも、菅田くんは本当にいい俳優さんですよ。そういう若くてイキイキしている人と一緒に芝居をすると楽しいですね。
――「軍議の間」など、とてもすてきなセットが多いですが、セットの魅力は?
このドラマはロケが多いですが、そのロケーションならではの良さがありますね。「軍議の間」も、遠方で撮っているんですよ。最初はこのくらいならスタジオにセットを組めるんじゃないかなと思っていたんですが、やっぱり空気感というか重みというか、“ナマ感”が違いますね。
セットではきれいに照明も作り込めないわけですから、そういうライブ感のようなものが全体に漂っていますよね。美術スタッフさんが、国会の予算委員会とか、総理の会見場とか、ぶら下がり会見の場所とか、よく見つけてきてそれらしく立て込んでくれるなって感動していますよ。
そういう場に、背広を着て国会のバッチをつけていれば“馬子にも衣装”じゃないですけど、そんなに気負わなくてもそれらしく見えますし。みんなの力のおかげで、すごくスムーズに撮影ができているので、スタッフさんに感謝ですね。本当にありがたいです。ちょっと遠いのが難点ですが…(笑)。でも、遠い分ここまで来て良かったなあって思っています。
――エンディングのタイトルが「ストレスフリー」ということで、金田さんのストレス発散法って何かありますか?
僕はストレス発散がヘタなんです。ああだこうだウジウジしていることが逆にストレス発散になっているのかもしれませんが。僕くらいの年齢になるとストレス発散は寝ることが一番ですね。
また、僕は軽く走って体を動かすこともあります。あとは暑くてつらい撮影のときも、終わった後にのんびりしている姿を自分で想像すること、そして一番は楽観主義ということですかね。ポジティブシンキングというか、あるがまま、ケセラセラ(なるようになるさ)感覚で。
他の職業の人はどうか分かりませんが、僕は役者という好きな仕事をやらせていただいているので、これでキツイって言っちゃうと申し訳ないですよね。
でも、いつもマネジャーがそばにいますので、「キツイよ! 何だこれ」って思わず言っちゃうんですよ。マネジャーも「はいはい」って聞いてくれる。
かと思えば「仕事終わったね! 次(の仕事)は何?」って聞いちゃうこともあります。俳優ってのはこんなにバカなのかって自分で思います(笑)。キザな言い方をすると、お芝居というか演じることが好きなので、演じることがある意味、究極のストレス発散法です。
――最後に後半の見どころを教えてください。
どんどん例の入れ替わりの秘密の部分が明らかになっていきます。誰が仕掛けているのかも分かりますし、草刈正雄さんと知英ちゃんの入れ替わりも今後どうなるのか。
三つどもえ、四つどもえの展開に期待ですね。あと、すてきなのが泰山と翔くんの成長ですね。翔くんが大人として成長していき、それに泰山や僕ら大人が教わっていくところ。コメディー色は強いですが、これは親子の成長を描くドラマにもなっているんですよ。
後半に懸けてますます目が離せない展開になっていきますのでお楽しみに。決して僕らは面白さの上にあぐらをかかず、毎日気をしっかり持って演じていますのでぜひ最後までご期待ください!
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