藤原竜也主演の映画「探検隊の栄光」が10月16日(金)に全国公開。荒木源による原作小説「探検隊の栄光」(小学館)とは設定が大きく異なる同作だが、監督の山本透がその狙いについてコメントした。
「探検隊の栄光」は落ち目の俳優・杉崎(藤原)とテレビ番組のクルーが、秘境の地で未確認生物を探す撮影の模様をユーモラスに描いた作品。共演者にはユースケ・サンタマリア、小澤征悦、田中要次、川村陽介、佐野ひなこ、岡安章介(ななめ45°)らが名を連ねている。
原作では生死を懸けたゲリラ戦などがシビアに描かれているが、映画は登場人物の設定から大幅な変更が施されている。これについて山本監督は「原作はどちらかというとビターエンド。僕はいつも笑って映画館を出てほしいと思っているんです。だからこの作品もハッピーエンドで終わらせたかった」と意図を明かした。
また原作者の荒木源も、この改変を快く了承。山本は「荒木さんは、原作と違うものになっても面白ければいいんじゃないと言ってくれる方。(映画を見て)楽しかったと言ってくれました。逆にありがとうございますと言ってくれて…。こちらこそありがとうございますと言いました(笑)」と語り、原作者とのやりとりについて振り返った。
同作は“決死の覚悟で秘境の地に挑む探検隊”のイメージが売りの番組が、実は行き当たりばったりでロケをしているというギャップがおかしく、山本監督はその落差をどう面白く伝えるかに苦心したそう。
これについて、山本監督は「ライブ感を見せたかった。杉崎探検隊がやっている『探検サバイバル』の撮影方法自体がその場の思いつきという、まさにライブ。言っていることもやっていることもノリだけでバカっぽい。ただ一生懸命やっている姿がどこか格好よく見えるような演出を心掛けました。彼らの撮影自体が“聖なる戦い”になればいいなと。
そうはいっても繰り返し切り替わる本編と番組の映像にギャップをつけるのは難しい。実際の映像でも探検隊は真剣に撮影しているので、普通にやったのでは差別ができない。そこでパッと引いたときに“チュンチュン”とのどかな鳥のさえずりを入れたりしていろいろとパターンを変えながら落差をつけていきました」とコメントしている。
なおエンドロールの映像は、メーキングのように見えて実はエンドロール用に撮影したもの。「笑って映画館を出てほしい」と語る山本監督の愛情が込められた同作は、最後の最後までお見逃しなく。
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