小林薫と蒼井優がナレーションを務める、テレビ東京系で放送中の「KIRIN ART GALLERY 美の巨人たち」(毎週土曜夜10:00-10:30)では、10月10日(土)から4週連続で“琳派”シリーズを放送する。
本番組は、絵画や彫像、工芸品、建築物など、毎回一つの作品にスポットを当て、そこに秘められたドラマや謎を探る美術エンターテインメント番組。
「作家はなぜこの作品を描いたのか?」その描写と作家の生き方との関わりや、作品に大きく影響した時代背景など、作品に秘められたさまざまな謎をひもといていく。
10月10日(土)放送のシリーズ第1週では本阿弥光悦作の、国宝「舟橋蒔絵硯箱」を特集する。江戸初期に活躍した光悦は400年前、京都に理想の芸術村を築き上げ、その村は流行の発信地となった。
書の達人だった光悦は、総合芸術プロデューサーとしてこの作品で平安時代から続く硯箱の伝統をガラッと変えた。時代を超えた国宝をどのようにして作り上げ、どのような奇跡を起こしたのか? 琳派という一大流派の始まりに迫る。
10月17日(土)放送のシリーズ第2週では、書の達人・本阿弥光悦と、天才絵師・俵屋宗達のコラボレーション作品の重要文化財「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」を紹介。宗達の類まれなる才能を見いだした光悦は、決してでしゃばらない宗達の下絵に多くの書をしたためてきた。
しかし、この作品では、主張する鶴の下絵の迫力に負けじと、琳派第一人者ならではの技量とセンスで立ち向かう宗達と光悦、二人の天才が一つの作品の中で繰り広げた戦いの結末を明かす。
10月24日(土)放送のシリーズ第3週では、俵屋宗達作の重要文化財・養源院「杉戸絵」に密着。杉板という特殊な画面に、流派に縛られない宗達ならではの前代未聞の技法と空間演出で描かれた作品。師匠である本阿弥光悦から受け継いだ心意気を探る。
10月31日(土)放送のシリーズ第4週では、江戸琳派を作り上げた天才絵師・酒井抱一作の重要文化財「夏秋草図屏風」を紹介。尾形光琳の「風神雷神図屏風」の裏に描かれたこの作品。なぜ偉大なる先人の絵の裏に、相反するか弱い草花を銀地に描いたのか、表と裏の対照的な世界に秘められた、琳派という芸術の絆に迫る。
■永田浩一プロデューサーのコメント
「美の巨人たち」は放送満15年。16年目に突入した今年度は、4月からさまざまなチャレンジを行い、古今東西の美の魅力をお伝えしてきましたが、10月からの後半も、さらなる挑戦・仕掛けを行っていきます。
その第1弾が、この“琳派4週連続シリーズ”となります。これまでにも、琳派の作品は単体では、幾度となく取り上げてきましたが、ことしが琳派誕生400年であることを機に、初めて“琳派”自体を体系的に取り上げ、その魅力を余すところなく紹介することを企画しました。
光悦という一人の天才が、宗達という稀有(けう)な才能を見いだし生まれた新たな美のムーブメントが、100年後に光琳というスーパースターによって花開き、さらにその100年後に江戸という京都から離れた地で抱一によって進化を遂げる。
今回4週続けて見ていただくと、あらためて“琳派”という美の系譜の新しさ、すごさ、魅力を今までの何倍も感じることができます。琳派の作品はこれまでに何度も見たという方も、琳派という言葉は聞いたことがあるけれどよく知らないという方も、誰もが楽しめるシリーズとなっています。
世界のどこを探しても見つけられない、時空を超越した“琳派”という、日本が世界に誇る美の世界を存分に堪能してください。
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