【試写室】「ドラえもん」流“源平合戦”の泣き所

2016/01/15 08:45 配信

アニメ

1月15日(金)の「ドラえもん」は『ドラドラ源平合戦~しずかちゃん御前を救え!~』と題した中編ストーリー(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK

1月15日(金)に放送される「ドラえもん」(テレビ朝日系)は、のび太らがひょんなことから平安時代末期にタイムスリップし、伝説の武将・源義経に出会う時空を超えた物語。今回、源平フェチとして放送を待ちきれない筆者が、一足先に視聴し見どころを紹介する。

ストーリーは、学校からの帰り道、平安時代末期の武将・源義経の活躍を描いた「義経物語」について、出木杉(声=萩野志保子)としずか(声=かかずゆみ)が語り合っていた。それが面白くないのび太(声=大原めぐみ)は、強引に2人を引き離し、「きょうは、ボクの家に来る約束でしょ!」としずかと一緒に帰宅する。

ところが、そこへ突然“ウマタケ”に乗ったドラえもん(声=水田わさび)がぶつかってくる。運動不足解消のため、久々に乗ってみようと思い立ったところ、気性の荒いウマタケが暴れ出してしまったのだという。

しかも、取り押さえようとした拍子に机の引き出しが開き、3人はウマタケもろともタイムマシーンへ。そのまま時空の彼方へと発進し、830年前、平安時代末期の知らない場所に到着してしまった。

タイムマシーンから降り、3人を振り落して疾走したウマタケは、なぜか一人の侍を乗せて戻って来る。実は、その侍は源義経だったのだが、名前を聞いてもピンとこないのび太は、“よっちゃん”と呼ぶことに。3人は、仲間とはぐれてしまったという義経と行動を共にすることに…というもの。

あまり大きな声では言えないが、「ドラえもん」を見るのは久しぶりだが、やっぱりホッとする。こんなご時世だけに、ドラえもんの世界の普遍的な関係性が癒やしをくれる。

そんなドラえもん、今回はのび太、しずかとウマタケに連れられて平安時代に行くのだが、タイムスリップした先で出会った源義経のおとぼけ感は見逃せない。

ドラえもんをタヌキと評す“タイムスリップあるある”、のび太やしずかをすんなり受け入れる懐の深さ(?)…はともかく、のび太がよっちゃんと呼びたくなるのも分かる義経のドジッ子ぶり。

これはあの世の義経はもちろん、父・義朝も苦笑いだろう。弁慶もスネを押さえて泣いているかもしれない。ただ、史実上でも謎が多い人物だけに、本当はこういうタイプだったのかもしれない。何しろ、時空を行き来するドラえもんが見たのだから、間違いないでしょう。

そして今回ある意味、主役級の活躍を見せるウマタケ。以前見たときも思ったが、馬というよりちょっとだけタツノオトシゴっぽい(失礼!)のに、随所でニクイ働きを見せてくれる。しずかに甘えるかわいい面もあれば、ドラえもんたちを乗せてすごいスピードで駆けてみたりといろんな顔を持つ。ここでは言えないが、終盤にも大きな見せ場がある。

本物の馬と同等かそれ以上の力を持っているこのウマタケ、もし手に入るのならちょっと怖いけど一度は乗ってみたいものだ。

また、これもある意味でドラえもんの“タイムスリップあるある”というべきジャイアン、スネ夫似の現地人が登場する。

今回は小悪党バージョンで出てきてくれたのだが、やっぱり「ドラえもん」を彩るにはあの2人のキャラクターがいないとしっくりこない。のび太らの前に立ちはだかって邪魔はするけど、その小悪党っぷりがどうも憎めないし、まさに愛すべき敵キャラだ。

ちなみにしずかが平家の人間たちに連れ去られたシーンでも、ドラえもんならではのピンチの中におとぼけあり、な展開があるので最後まで油断せずに見てもらいたい。

そして何より今さら特筆すべきところではないかもしれないが、のび太にウマタケ、時空を超えて義経までもとりこにしてしまうしずかのモテモテっぷりには脱帽の一言だ。

ドラえも~ん。しずかちゃんに負けないくらいモテモテになる道具を出して! おっと、心の声が。