毎週火曜NHK BSプレミアムで放送中の内田有紀主演ドラマ「はぶらし/女友だち」(夜11:15-11:45)で、古書店の店主・灘を演じる金子ノブアキにインタビューを敢行!
個性派俳優として注目を集める一方で、ミュージシャンとしても活躍する金子。そんな金子の演技へのこだわりや、今作によって自身が感じたことを語ってもらった。
――今回演じられている灘さんにどんな印象をお持ちですか?
優しくていい人なんですけど、ドロップアウトしてるっていう自分の中での負い目みたいなものを持っているので、内田さん演じる鈴音のように自立してる生き方がうらやましいんだと思います。まだ自分が何をしたいのかはっきり分かっていなくて、葛藤しながら日々迷っているんでしょうね。
――実際に演じてみていかがですか?
今でも撮影初日の前夜はすごく緊張してしまって、あまり眠れないんですけど(笑)。今回も眠れなくて(笑)。最初はどう演じるか、すごく迷いもあったので。
とても柔和で優しくて、嫌みのないキャラクターなので、ささいなことでも悪いイメージを与えたらダメだなと思って、その辺は丁寧に演じました。優しいからこそ、ちょっとしたことでずるく見えてしまうこともあるから、話し方ひとつにも気を付けました。
池脇千鶴さん演じる水絵に「ごめんなさい」って言うシーンがあるんですけど、そこが一番神経を使いましたね。突き放すわけじゃないんだけど、でも受け入れることはできない…という感情を優しく真っすぐ水絵に伝えたかったので、そのシーンでは去る時の歩き方とか、歩幅も考えて、嫌みのない灘を演じ切るように注意しました。
――監督とはどんな話をしましたか?
灘は、鈴音にとっても水絵にとっても救いとなる存在でなければならない、分かりやすく言えば癒やしというか。刺激的な恋の相手というのではなく、女性二人の心に温かい火をともす存在なんだという話をしました。
――この作品に限らずに撮影現場には役作りをしてから行かれますか? それとも真っさらな状態で行かれますか?
もちろん事前に準備をして役のイメージを作って行きますけど、でもある程度柔らかい頭で行った方が現場で対応しやすいのかなって思っています。せりふを覚えて行っても撮影中にどんどん変わっていくし、台本を基にイメージを膨らませて監督と話して、さらに他の演者さんの演技に反応していくって感じですね。
――演じるために日頃から何かされていることはありますか?
両親が音楽家なので子供のころから音楽に触れてきたし、僕は今も音楽活動をやっているのですが、音楽だけやってると煮詰まっちゃたりするんです。でもドラマのせりふを覚えているときとか、ふとした瞬間に音楽に関するアイデアが浮かんだり、またその逆もあって。芝居と音楽を両方やることで、どちらにもいい作用があるのかなって思っています。
だから、演じるために特別な何かをするというよりは、芝居も音楽も並行して楽しんでやることが両方にいい影響を及ぼし合っているんだと思います。
――ドラマの見どころをお聞かせください。
ある意味暗いドラマで、ずっとイライラするような嫌~な感じがあるんですけど(笑)、でもそういう作品が存在する意味ってあると思います。世の中には窮屈で「なんでこうなっちゃったの?」っていう生き方をしている、ほんとに灘のような人ってたくさんいると思うんですよ。優しいからこそ失敗してしまう、そういう人をリアルに描いているので、注目していただけたら!
――最後に2016年はどんな年にしたいですか?
今回のような優しくていい人を久しぶりに演じてすごく楽しかったし、刺激的で今後の演技のヒントになりました。これからは、皆さんが思う僕のイメージとは全然違う役を演じていくことで、もっとお芝居の幅を広げていけたらいいなと考えています。
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