【試写室】「相棒」待ってました!陣川警部補

2016/01/20 05:00 配信

ドラマ

1月20日(水)放送「相棒season14」の第12話は警部補・陣川公平(原田龍二)の物語だ(C)テレビ朝日

毎回マドンナに恋に落ちるけど振られてしまうのは“寅さん”こと「男はつらいよ」シリーズの車寅次郎(渥美清)。

そして捜査線上に浮かび上がる女性に恋に落ちて、毎回恋敗れてしまう残念な警部補といえば人気ドラマ「相棒」シリーズの陣川公平(原田龍二)だ。1月20日(水)に放送される「相棒season14」(テレビ朝日系)の第12話は、そんな陣川の物語だ。

毎シリーズ最低でも1度は登場する陣川は、これまで多くの相棒ファンをとりこにしてきた。いつも恋に敗れがちな筆者もそんな陣川ファンの一人だ。

第12話は、5年前に世間を騒がせた逃亡中の連続殺人犯が、長い沈黙を破り再び殺人を犯すところから始まる。

捜査一課の伊丹刑事(川原和久)らが犯人逮捕に躍起になる中、捜査一課の経理担当で特命係に在籍したこともある陣川は、マイペースにいつもの妄想的な恋に落ちていた。

恋の相手はコーヒー店を営む矢島さゆみ(黒川智花)。コーヒーの味だけでなく、見た目も冠城(反町隆史)が認める美人で、思い込みの激しい陣川は付き合ってもいないのにプロポーズまでもくろんでいた。

右京(水谷豊)はいつものこと、とほほ笑ましく見守っていたが、なぜか会うなり陣川に恋愛の先輩と見込まれた冠城は、陣川に恋のアドバイスを送る羽目に。だが、恋が進展する前に、陣川とさゆみは連続殺人事件に巻き込まれてしまう…というもの。

右京の“相棒”が冠城になってから、初めて特命係に現れた陣川。“陣川あるある”的な、新相棒に先輩風を吹かせる姿を楽しみにしていたのだが、なぜか今回は自分から冠城を先輩と呼び、師事する。恋愛テクニックを学ぼうと従順に冠城に従う陣川の姿はほほ笑ましく、2人が並んで歩く姿はとても初めてとは思えないしっくり感だった。

今回のマドンナ・黒川演じるさゆみは、黒のセミロングヘアーが印象的な美人。しかしまあ、あんな美人に笑顔で迎え入れられたら、陣川でなくとも喫茶店に訪れる彼女目当ての男性は後を絶たないだろう。

私がよく知るチャラい喫茶店マニアの男性や、甘党のベテランライターさんも間違いなくほれてしまうだろう。私のようにいちずな人間ならともかく…。

さて、例によって脱線してしまったが、今回はある意味陣川史上最もキケンな恋になる。そんな詳細まで言ってしまったら、制作スタッフさんに逮捕されそうなので言えないが、陣川メーンの回でこういうパターンもあるのだな、と脚本の多様性には驚かされた。

刑事ドラマがこれでもかと乱立する時代。どこかで見たことのあるパターンの解決方法、捜査手段に刑事同士のやりとり、犯罪者心理、どれをとっても相棒以外相棒じゃないの。

ここまで長い期間連続ドラマとして第一線を走ってきた「相棒」のすごさは、シナリオを書く人のラインアップが豊富なこともあるが、毎回デジャビュ感がない物語の力に他ならない。

右京の相棒がどんどん変わり、そのたびに「前の方が良かった…」などという世間の声もあるが、少なくとも1シリーズも見ないうちにそれを言ってしまうのは、早計だろう。特に個人的には今回のちょっとチャラい冠城は、相棒にまた新しい風、それも少し刺激的な風を吹かせていると思う。

とまあ、私のような若輩者が語るのもおこがましい神聖な刑事ドラマであり、一定のフォーマットを残しつつ変化を恐れない「相棒」。そんな「相棒」ならではの幅広いストーリーを、今後も楽しませてもらえることを切に願う。

さて、珍しく真面目に書いていたら喉が渇いてしまったので、今夜は美しい女性がいる喫茶店に、おいしいコーヒーを飲みに行こう。

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