4月14日(月)夜8時からテレビ朝日系でスタートする「警視庁・捜査一課長」で、主演を務める内藤剛志にインタビューを行い、作品に懸ける思いなどを語ってもらった。
――今回「土曜ワイド劇場」から連続ドラマへと舞台を移しますが、意気込みはいかがですか?
毎週やれるのはありがたいことだと思っておりますし、いろいろな部分をより深く表現できますので、僕としてはチャンスと捉えています。1回の放送枠は2時間から1時間になるので、新しく変えなければいけない部分はあるのですが、いろいろやりたいことにスタッフ・キャスト全員がトライでき、作品をプラスアルファできるのでうれしいです。
「土曜ワイド劇場」では、1年に1本ペースで撮影と撮影の間隔が空いていましたが、今回はうまくいった感覚を持ったまま続けて演じられるので、新しい発想も生まれると思います。
――内藤さん演じる大岩純一のキャラクターについて、どう捉えていますか?
上司もいて部下もいて、中間管理職のような役だと思っています。“たたき上げ”で捜査一課長の地位まで来たということは、周囲から支持されなければ上がって来られなかったわけですから、他人の気持ちをつかみ、相手の気持ちになって想像することに長けている人間なんじゃないでしょうか。例えば、捜査中「あの時のあれはすごく良かったよ」と具体的に言い、相手が一番必要としている言葉を掛けてくれるなど、人間同士の関係をうまく結べる人だと思っています。
また、決してヒーローではないけれど「みんなで一緒にやろう」と部下と協力し、みんながやる気になるオーラを出している人じゃないですかね。「やれ」じゃなくて「やろう」というところがポイントです。せりふでも普通は「ホシを挙げろ」というところを、必ず「ホシを挙げる」と言っています。
ここが大岩の意思であり、大岩というキャラクターの全てを表しているのではないでしょうか。他にも「遺体」と言わずに「ご遺体」と言っておりますし、亡くなった方に対しては、たとえ犯人や被疑者であっても頭を下げています。これは現場のみんなで考えたことです。本物の刑事さんがやっているかは分かりませんが、どんな方であれ亡くなった人に対しては頭を下げてから捜査をするというふうにやっています。ですから、やはり事件に対し真摯に向き合う人なんでしょうね。
――共演の斉藤由貴さんや金田明夫さんにはどういう印象をお持ちですか?
もう30年以上のお付き合いですので、仕事ぶりも分かっていますし、楽しいの一言ですね。明るさ、楽しさがパワーになって画面に映るものだと思ってますから、楽しくやりたいと常日ごろから思っています。金田明夫は俳優として非常に高い技術を持っていて、どんな演技でも受けてもらえる人ですから、僕としては頼れますし、僕の演技の振り幅がどんなに大きくても金田明夫がいることによって整合性がきちっと取れますね。
斉藤由貴ちゃんはものすごく個性的で、他の女優さんにはない発想を持っているから、僕が全然想像できないところからアイデアや演技を出してくれますね。
ですので、僕からすれば“両輪”と言える2人がいて、普通にやっていても2人がきれいに色付けしてくれるので、ものすごく助かっています。大岩役は僕じゃなくても、あの2人がいれば誰でもできるっていうくらいの感じですので、2人が気持ちよく楽しく仕事ができるようにする、ということが僕の仕事です(笑)。
――現場での役目が、まるで演じる大岩とかぶっているみたいですね。
やっぱり1人ではできないですからね。鈴木(裕樹)君、矢野(浩二)君、本田(博太郎)さん、床嶋(佳子)さん、捜査一課のみんながいないと作品は出来ないものなので。先ほども言いましたが、「ホシを挙げろ」ではなく「ホシを挙げる」というのはそこにあると思います。
みんなに助けられて仕事をしているということです。僕はただの飾りというか、座っているだけ(笑)。由貴ちゃんには面白い球を投げてもらって、金田明夫からは球がポンと胸元に返ってきて、僕は適当に構えても必ず返ってくるという安心感。「科捜研の女」でも一緒でしたし、他のドラマでもよく一緒になるので、そういうふうにやってもらっています。ですので、そのトライアングルの力がそのままテレビ画面に映るといいですね。
【内藤剛志「捜査一課長」のせりふに込めたこだわり(後)へ続く。同記事は4月13日(水)昼0時掲載予定】
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