「真田丸」涙の犬伏 別れのシーンは実はムチャぶり合戦!?

2016/09/05 11:18 配信

ドラマ

真田家を残すため、豊臣と徳川に分かれることを決断する昌幸(草刈正雄)、信幸(大泉洋)、信繫(堺雅人)(C)NHK

9月4日に放送された大河ドラマ「真田丸」(NHK総合ほか)の第35回『犬伏』で、真田家の長男として、家を守るため苦渋の決断を下した信幸(大泉洋)。

弟の信繁を演じる堺雅人が「有名なエピソードなので、すごく大きな場かと思っていたのですが、あれは“信幸の決断”という題がついてもいいほど、兄上の洋さんの芝居でしたね。あのシーンは洋さんが引っ張ってくれたと思います。すごく格好良かったです!」と語ったほど、Twitterでも「きょうのお兄ちゃん、かっこよすぎ」「今回の主役は信幸」と大絶賛。

視聴率も15.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマーク(“早丸”と呼ばれる夜6時からのNHK BSプレミアムでの放送でも4.2%を記録)し、“真田家の最も有名な決断”への注目度の高さをうかがえた。

これまでは自由過ぎる父・昌幸(草刈正雄)と、優秀な弟・信繁に挟まれ、“かわいそう”という印象も強かった信幸を演じてきた、大泉洋にインタビューした。

――「犬伏」では大決断でしたね。

台本読んで「おわっ」と驚きました。それまで信幸はずっと父上に振り回されて、大事なところでは蚊帳の外でしたから。「信幸頑張ってる!」と思って。これまで少しずつ見せていた信幸の成長を感じましたし、三谷さんらしい愛情にあふれた描き方ですよね。

真田はもちろん二手に分かれて戦うんだけど、三谷(幸喜)さんの本ではそうではないと。「われらは決して敵味方に分かれて戦うのではない」というせりふにはグッときました。

分かれて戦うと決めた後、源次郎(堺)が感極まってぼろぼろ泣くシーンがあるけど、兄貴としては泣かずにいたいと思ったんです。でも横でぼろぼろ泣かれると、こちらもこらえきれませんでしたね。何かもう、かわいらしくてね。

――別れを描きながらも、明るく終わるこの回のラストシーンは?

本当に素晴らしい脚本で、お酒を飲みながら非常に和気あいあいとした場面で終わるんですが、カットが掛かるまで何かしらアドリブで話し続けるしかないのが大変でした(笑)。

お互いにムチャぶりのし合いになるんですよ。直前に、「史記」に出てくる韓信という男の話をしているので、堺さんが「兄上、もう少し韓信(かんしん)のお話を聞きたいです」と言いだして。こっちはそんな知識ないわけですよ。

すると草刈さんが「なかなか感心(かんしん)な男だったらしい」と入れてきたんです。僕も同じことを言おうと思った矢先、一瞬早く言われまして(笑)、親父ギャグというだけあって、父上のスピードに驚きましたね(笑)。

――今後は、信幸には家族のために一肌脱ぐ山場も控えていますね。

忠勝(藤岡弘、)と共に、家康(内野聖陽)に父と弟の助命を嘆願するシーンは、僕にとっても当初からずいぶん思い入れのある場面なので、気持ちが入りました。

家族を気に掛けていた手紙も、実際に残っていますし。実在する人物を演じる怖さというのはもうないですが、ただ一点、私が演じているからと、三谷さんがコミカルに描くことについては、若干申し訳ないなと感じますね(笑)。

でもドラマ史上一番愛される信幸像なんじゃないでしょうか。昌幸と家康、稲(吉田羊)とおこう(長野里美)って、いつもいろんな人たちの板挟みになって必死ですよね。この役のおかげで、ことしはどこへ行っても「かわいそう」って言われますから(笑)。

発売中の「週刊ザテレビジョン」36号では、堺雅人大泉洋草刈正雄のインタビューも掲載した「真田丸特集」を紹介! 秀吉亡き後、複雑に入り交じる武将たちの思いや陰謀を各話相関図形式で詳解しています。

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