毎週木曜、日本テレビ系にて放送中のドラマ「黒い十人の女」。10股男・風松吉(船越英一郎)の殺害をついに実行に移すことになった10人の女たちがどうなっていくのか、目が離せない展開が続いている。
今回、同ドラマに風の妻・睦役で出演している若村麻由美にインタビューを敢行。圧倒的な存在感を醸し出す自身の役柄や、12月1日(木)の最終回に向けた見どころなどを語ってもらった。
――ドラマもいよいよ最終局面を迎えましたが、あらためて今回の「風睦」という役どころを演じられてきていかがでしょうか。
私が演じる風睦という女性は、9人もの愛人がいる夫・風松吉と離婚もせず、この状況を受け止め最終回まで誰にも本音を語らない、強靭(きょうじん)な忍耐力の持ち主です。
――睦は愛人たちからは“ラスボス”と称されるなど、「風松吉の妻」として圧倒的な存在感を放っていましたが、役作りの面で意識されたことなどはありましたか。また、ご自身と役柄に共通する部分はありましたか。
第3話(10月13日放送)で睦が初めて登場するシーンでは、愛人から見た睦の印象に「意外と普通」というせりふがありながら、“ラスボス”と感じさせなければならなかったので、脚本の先が読めない中でのキャラクター作りは本心がどこにあるか分からず大変難しかったですね。睦と共通する部分は、全くありません(笑)。
――個性豊かな愛人たちが登場したこのドラマですが、若村さんから見て友達になれそうなキャラクター、もしくは「この人には近づきたくない!」と思われたキャラクターはいらっしゃいましたか?
愛人たちを含めて、誰も友達にはなりたくないですね。そして、どの愛人よりも近づきたくないのは風松吉です(笑)。
――「風松吉の妻」という立場からご覧になった時、彼の良いところ、悪いところはどんなところでしょうか。
良いところは「優しいところ」で、悪いところも「優しいところ」ですね。第3話で、睦が久未(成海璃子)や美羽(佐藤仁美)に対して、「風はとても優しい男です」と語るシーンがあるのですが、そのせりふには両方の思いを込めて演じました。
――では逆に、若村さんご自身がお考えになる風の魅力はどんなところでしょうか。
風の魅力はその名の通り、いつも気ままに漂うそよ風のような優しさです。でも風は通り過ぎてゆくだけですから、同じように「風松吉」も決して捕まえられないんです。また、意外とロマンチストなところもありますね。
――第8話(11月17日放送)では、ついに睦が9人の愛人と対面し、話もほぼワンシチュエーションで展開されましたが、現場の様子はいかがでしたか。
この回は、ワンシーンが2日間にわたって夜明けを迎えるまで撮影されました。私自身初めての経験で、「いっそ舞台にしては?」と思う長さでしたが、10人で力を合わせて乗り越えました(笑)。
――9人もの愛人を作られながら、動じることなく常に淡々としていた睦ですが、もし若村さんご自身がこのような事態に巻き込まれてしまったとしたら、どんな行動に及ぶとお考えですか。
「皆さんでどうぞ」と、いち抜けします(笑)。
――同ドラマは毎回強烈なせりふの応酬が話題を集めていましたが、バカリズムさんの脚本の印象についてもお聞かせください。
ボケ・ツッコミ・オチ、テンポ感、言葉選び、現代を切り取るセンス。本当に才能のある方ですね。こんなにひどいせりふの連発は、デビュー以来初めてでした(笑)。今後はさらに人間の滑稽さを深く描く作品も期待します。
――それでは最後に、12月1日に放送される最終回の見どころをお聞かせください。
最終回では、またもや“十人の女”が勢ぞろいします。なぜ、睦が9人の愛人たちと仲良くしてきたのかが明かされます。その結末にも乞うご期待です。“ラスボス”のラスオチはちょっと分かりにくいかもしれませんが、いろいろとご想像ください。
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