工藤夕貴主演のドラマ「山女日記」(毎週日曜夜10:00-10:50NHK BSプレミアム)に出演中の黄川田将也にインタビュー。黄川田は、工藤演じる新米登山ガイド・柚月の先輩で山岳ガイドの木嶋岳志を演じている。
撮影は日々山中で行われ、特に初回の撮影は台風が直撃する中で続行され過酷なものだったという。黄川田将也に撮影の裏話や、木嶋役への思いなどを語ってもらった。
【前編「黄川田将也が「山女日記」のロケ裏話を披露!」より続く】
――過酷な撮影だったと思いますが、これはやばかったということはありましたか?
いっぱいありますが、クランクインのときに台風が来ていたことですね。
その中で、誰しもが中止だろうと思っていたときに、隊長が「登るぞ」と判断を下して登りました。周りの景色も見えないほどの天気で、ちょっと足を滑らせてしまったら下まで落ちてしまいそうな急斜面が多い山だったんですよ。妙高山(新潟)は原作者の湊かなえさんがどうしてもこだわっていた山だから、撮影陣もどうしてもこの山で撮影したいという思いがありました。初日に5時間くらいかけて着いた所は高谷池ヒュッテで、スペースの関係上、男も女も関係なく雑魚寝でした。だからみんなのスッピン知っています(笑)。僕は監督と温水洋一さんに挟まれて眠りました。
撮影は「僕たち前世で悪いことしたのだろうか」とみんなで話したくなるくらい大変でした。それが第1弾だったので、第2弾、第3弾からはどんどんグレードアップして、次のヒュッテからは「お湯が出る!」「暖房がある!」「毛布があるよ!」と日常のささいなことに感謝するようになりました。一番大変なところからのスタートで良かったなとは思います。
――みなさん仲が良すぎてグループLINEができたと聞きましたが、なぜそこまで仲良くなったのでしょうか。
撮影現場では、顔を洗うときも、歯を磨くときも(共演者と)隣にいる。人間性がもろにでるんですよね。何を大切にしているとか、その作品に対しての思いとかがどんどん出て、裸にされていく感じがありました。共演者さんたちはみんな本当にすてきな方ばかりで、監督が人間性を見て(配役を)選んだかのように、待つことも苦に思わない、文句も言わない男っぽい女性も多く、共にやり遂げたという感じです。
――今作で新しい自分を発見されて、今後どういう役に挑戦していきたいとか、何か変化したことはありますか?
30歳くらいからでしょうか、頂いた役はどんな役であっても挑戦して、監督の世界に怖がらずに入っていこうと思い演じています。今回、初めて台本を読んだときも山に登るときも、自分の中で山男の要素はないと思っていたのですが、案外自分は危険な道を選びがちで、自分の中にないと思っていた役も見つけることができました。
今まで、頭脳はいいけど体は弱いとか、育ちがよく学歴が高い、そういった役が多かったんですけど、自分とかけ離れているから想像がしやすくて演じやすいんです。だからこの作品で、もしかしたら木嶋はこういうふうに思ってるかもしれないと、役と同じ要素を自分の中に見つけたときの快感、糸口が見つかったときに「よっしゃー!」と思えました。
自分から見えない部分を自分の中で見つけて広げていくという作業はとても面白いと思いますので、また見えない部分を見つけ、チャレンジしていきたいです。
――木嶋との共通点は見いだせましたか?
そうですね…今回の役に関しても初めは(自分と)かけ離れていると思っていたんです。以前、たまたま「山女日記」の監督が演出している舞台を見に行って、飲みに行ったんです。そのときの監督の僕に対するイメージが、「飲むとすごく陽気な人」というイメージで。陽気なのに、役の話をすると急に真面目になったりするのが木嶋っぽいと言われました。僕が台本を頂いたときに、(木嶋と)全然遠く、着実に何かをこなすというタイプではないと思っていて。でも監督からしたら、「おまえは登る人だ」と見いだしていただきました。
――今後柚月との恋模様など気になることが多くなってきますが、今後の見どころを教えてください。
木嶋はずっと柚月さんのことが好きで今までサポートする側だったのが、第5話(12月4日(日)放送)でその関係性が変わっていきます。一緒に登って、共に柚月のお客さんを見ていく。そこで柚月のすごさや、木嶋の人間味が出てくるので最後まで楽しみにしていてほしいです。
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