ブブキ・ブランキ 星の巨人のあらすじ
あれから一年。日常は穏やかさを取り戻し、人々はいつもの生活に戻っていた。東は新たに一人暮らしを始め、黄金の通う高校に転校することを決めた。ギーの率いていたデモクラティアが占有する全てのブランキが国営公社に移管される。そんなニュースを聞きながら朝ご飯を食べるこの生活は、父・明に連れられ宝島から逃げだし、ギーを倒すまでの日々と比べて嘘みたいに静かだと感じながら、東はエピゾから届いた手紙を開く。
嵐の吹き荒れるなか天を貫くほどの巨体を現すデウス・マグナ。その脳内には倒すべき敵・ギーがいる。ブランキ“バトロフ”“メガララ”、そして薫子の乗る “ザンパザ”は、それぞれの想いを胸に、そしてレティシアの遺した武器を手に、全員の心を一つにしてデウス・マグナへの決死の攻撃を試みるが歯が立たない。その頃、デウス・マグナの体内に入った東たちもまた、ギーを倒し、礼央子を助けようと、“王舞”とともに戦っていた。
『受け継ぐ』この言葉を一言で言いかえるとするなら『呪い』である。一族に伝わる心臓のブブキを受け継ぐギーは、呪いを解こうと唯一の方法を取り解放されるが、皮肉なことに『呪い』は突然、ギーの元に戻ってくる。悲嘆にくれたギーは決意する。人間の血をけがし、この忌まわしい『呪い』をかけたブランキ達を消し去り、この世界を純粋な人間の手に取り戻すと。それから16年後。人々が見上げる先の空に、巨大な彗星の姿があった。
ギーの要塞島から礼央子を救い出した東たちは、アルゴー・ガウラで日本を目指す。しかし、日本の領海にさしかかろうというころ、高速で接近する飛翔物体が現れ、焦る的場井。心臓のブブキの持つ固有波形から、相手はブランキ“メガララ”と判明する。心臓を手に取り飛び出す東は、アルゴー・ガウラの船体上でメガララと対峙する。ブブキ使いでなければ、ブランキさえ関係なければ最高の友人になれたはずの二人の戦いがいま始まる。
草原を越え丘を越え、風よりもはやく軽やかに、見守る人の視界から一瞬で消え去り上昇を続けるブランキ“エピメウ”。コクピットのレティシアたちは、オオハクチョウの群れに歓声をあげる。車イスで過ごすしかないレティシアにとっては、鳥たちの見ているこの広い世界が素晴らしく見えるのだった。鳥を追いこし、雲よりも高く上昇を続けるエピメウ。もっともっと高く。その先に広がる宇宙を見つめるレティシアは一体何を思うのか。