千歳くんはラムネ瓶のなかのあらすじ
7月に入り、いよいよ夏本番。インターハイ予選に敗れて3年生が引退し、陽は女子バスケットボール部の新キャプテンになる。来年こそはと、チームメートと共にひたむきに部活に打ち込む陽の姿を朔も遠くから眩しそうに見つめる。そんな中、学校ではインターハイ出場選手と野球部に向けた壮行会が執り行われることに。去年まで所属していた野球部の代表あいさつを務めるのは、よく見知ったかつてのチームメート。選手を送り出す側になった朔は、どこか寂しげな表情を見せる。
朔と明日風は、ネオンがきらめく夜の新宿を駆け抜け、なんとか絡んできた男を撒くことに成功する。しかし、二人が足を踏み入れたのはラブホテルだった。見慣れない空間と非日常感に戸惑い、二人の間にぎこちない空気が流れる。だが、ふとしたきっかけから始まった枕投げで、二人はいつしか年相応の無邪気な笑顔を取り戻していく。やがて、青い光に包まれたベッドの上で、明日風は朔に「君の話を聞かせて?」と語りかける。それは、千歳朔が千歳朔になるまでの話であり、月に手を伸ばした少年の物語だった。
朔と明日風は、特急列車に乗り込み、東京へと“駆け落ち”する。福井とはまるで違う大都会の喧騒に圧倒されながら、二人は明日風が目指す大学のキャンパスを訪れる。二人はもしも大学生になったならとイメージする。しかし、そんな未来を思い描くには、高校生の朔と明日風にとって一学年の差はあまりにも大きかった。どこか寂しさのような感情を抱えながら、次に向かったのは本の街・神保町。立ち寄ったカレー店で二人は、若手作家と編集者のやりとりを目の当たりにする。































