タオルで口を塞ぎながら作曲していました
グリーティングイベントの前には記者会見も行われ、歌を通して伝えたかったメッセージについて質問されたアイナは「今回、映画のなかで6曲作りました。作る時間がいつも夜中だったので、ギターを片手に、あまり大きな声も出せないので、タオルで口を塞ぎながら作曲していました。そんななかでもキリエは、歌でしか声が出せないので、シャウトや、悲鳴に近いような高音を出し続けなきゃ、誰にも届かないような気がしました」と告白。
「歌がうまいだとか、メロディがきれいだというよりは、魂の叫びや、内臓が出てくるほどの感情の極みだとか、そういうところをしっかり乗せたいというのが今回の6曲のモットーでした。そのなかで1つ、岩井さんが歌詞を書いてくれた曲もあります。一人ぼっちで作ったわけではありません。届いていたらうれしいなと思います」と楽曲に込めた熱い思いを振り返った。
ものすごく肉厚で、上映時間があっという間だと思う
また、アイナは「地面には底があるんですけど、空のてっぺんは誰も触ったことがなくて、限りがないんですよね。この映画の最後、キリエは不思議と上ばかり見て歌っていました。小林武史さんが作ってくださった歌が、岩井俊二さんが作ってくださった世界が、キリエをそうさせたんだと思います。この映画を観て、少しでも上を見上げてもらえたらといいな、なんて思います」と、今作への思いをコメント。
また、松村は「キリエのうたは13年間の物語だからこそ、様々なことが起こります。ひとりひとりに様々なことが起こって、それは決して小さなことではありません。だからこそ映画として、ものすごく肉厚で、上映時間があっという間だと思います。彼らの人生を観たうえで、明日、明後日について考えていただける作品だと思うので、その魅力を存分に受け取っていただければと思います」と呼びかけた。
広瀬は、「映画って、海を越えてすごく無限大なものだなと、こういう場に来させていただけると改めて実感します。そしてみなさんが想像以上に『キリエのうた』という作品を色々な視点で観られていることを聞けて楽しかったです」と語り、岩井監督は「『Love Letter』という映画を作ってから、韓国のみなさんからよく『お元気ですか』という挨拶をしてもらえるようになって、それ以来、韓国という国を親戚のように思ってきました。おかげさまで病気もせず作品をずっと作ってこられたということそのものが奇跡だなとこの歳になって本当に思います。そして今、改めて日本のすごい才能を持った若い人たちと、相まみえながらこの作品を作りきれて、みなさんのところに届けることができて、本当にそのこと、そのものが誇らしくて、嬉しくて仕方ないです」と明かした。
Happinet
発売日: 2023/12/13