小松菜奈・松田龍平W主演映画「わたくしどもは。」に、大竹しのぶや片岡千之助ら参加 劇中音楽は野田洋次郎が担当
小松菜奈・松田龍平のW主演映画「わたくしどもは。」が、2024年に公開される。今回、本作の追加キャスト情報に加え、劇中音楽を野田洋次郎(RADWIMPS)が手掛けることが明らかとなった。
“過去の記憶を持たない”男女の佐渡島での物語
舞台は佐渡島の金山跡地。そこで倒れている女(小松)が目覚めるが、女には過去の記憶がなかった。女は、清掃員の女性・キイに助けられ、家に運ばれることに。キイの家には“アカ”と“クロ”という名の女の子も暮らしていた。
名前を思い出せない女は“ミドリ”と名付けられ、キイと一緒に清掃員として働き始める。ミドリはそこで警備員の男(松田)と出会った。しかし、その男もまた名前と過去の記憶がないという。過去の記憶を持たない2人の男女は、互いに惹かれ合っていく。
物語を彩る追加キャスト陣、劇中歌を手掛けるRADWIMPS・野田洋次郎
2024年にロードショーを控える、不思議な世界観に満ちた本作の主演の2人に加え、追加キャストの情報が解禁となった。
記憶を失った女を助ける金山跡地の掃除婦・キイ役に大竹しのぶ、ジェンダーに悩む高校生・透役に片岡千之助、謎のバスガイド・ムラサキ役に石橋静河、あの世とこの世の狭間の番人をする館長役に田中泯、透の母親役に内田也哉子、ただれた男に辰巳満次郎が決定。主演の2人と物語を彩っていく。
そして劇中音楽は、日本を代表するバンド・RADWIMPSのフロントマン・野田洋次郎が手掛けることとなった。
富名監督、“忘れ去られないために”この映画を作りたかった
本作は、ベネチア国際映画祭が新鋭監督を支援するプロジェクト「Biennale College Cinema 2018ー2019」にて、日本から唯一選ばれた企画。5年の月日を経て、10月23日(月)に開幕する東京国際映画祭の“コンペティション部門公式出品作品”としてワールドプレミアを迎える。
江戸時代、“無宿人”と呼ばれる戸籍を剥奪された人々が佐渡島に連れてこられ、金山で過酷な労働を強いられた結果、多くの方が命を落とすという出来事があった。佐渡島を訪れた富名哲也監督は、この金山跡地の片隅にひっそり佇む墓地、“無宿人の墓”の存在から本作の着想を得たという。
戸籍の無い“無国籍者”は、遠い過去の出来事ではなく、日本そして世界的にも増加し現在問題となっている。「この社会に記録上存在していない、無宿人と無国籍者は、亡くなってもその存在は永遠に認められることがないまま、その魂は“彷徨える魂”としてこの世を漂っている。忘れ去られないためにもこれをテーマに映画を作りたかった」と監督は語っている。
続けて、「この映画の物語を支えるプロットとして、佐渡金山を象徴する2つに割れた山、道遊の割戸と呼ばれる金山が大切な役割を担っている。じっと眺めていると、その割れた裂け目はあの世とこの世を繋ぐ出入口に思えたことが、映画の強いインスピレーションになった」と作品に対する強い思いを明かしている。
東宝