おとぎ話の世界に入り込めるような映像美
――ディズニー作品はどれも映像が美しく、音楽も素晴らしいのですが、「ウィッシュ」を制作するにあたって、特にこだわった部分や新たにチャレンジしたことがあれば教えてください。
ピーター氏:今回の作品は絵本の水彩画をモチーフにして取り掛かりました。絵本を開くと中に挿絵がありますよね。紙の素材感も含めて、見てくれる人にそういうものも感じてもらいたいと思ったんです。見る人もおとぎ話の世界に入り込めるようなものを。そのためには新しいテクノロジーが必要でした。それによって3Dと絵本の水彩画のような2Dをうまく表現できたと思います。
――ちなみに、ディズニー作品に登場するキャラクターの中でのお気に入りを教えていただけますか?
フアン・パブロ氏:たくさんあり過ぎて(笑)。その中でもお気に入りとなると、「眠れる森の美女」(ディズニープラスで配信中)の3人の妖精(メリーウェザー、フォーナ、フローラ)ですね。その妖精たちはとても愉快で、ウィットに富んでいて、問題があっても協力して解決していく姿に引かれます。
ピーター氏:自分が関わった作品はとても身近なもので愛着もすごくあるので選ぶのは難しいですが、今の私のお気に入りはやっぱり“アーシャ”ですね。彼女は自分の家族だったり、地域の人たちのためだったり、誰かのために動いているので、その精神に引かれます。
――最後に日本のファンの方に向けて見どころも含めてメッセージをお願いします。
フアン・パブロ氏:この作品はディズニー作品のファンの方へのラブレターというつもりで作りました。皆さんが願いを叶えて、強く願えば叶ったり、意味のある行動につながったりする。そういうことが伝わればいいなと思っています。
ピーター氏:私の“願い”になりますが、家族や友人など、みんなでご覧いただきたいと思っています。とにかく圧倒させるビジュアルはシネマスコープの広いスクリーンでみんなと一緒に見ると、気持ちの高鳴りも影響します。大きな声で笑ったり、いろんな感情を出しながら見ていただけたらうれしいです。そういう楽しみ方ができる作品になっていますので、ぜひ大勢で大きなスクリーンで楽しんでください。
◆取材・文=田中隆信