<山田孝之>シングルファーザー役に初挑戦「本当に大変な時間でした」重松清の感動作が映画化
山田孝之コメント
健一を演じた1カ月間は、亡くなった奥さんの存在がいつも心の中にあって、そばに感じていたので、本当に大変な時間でした。健一は、悩み、努力しながら生きていく、どこにでもいる普通の男です。
こんな時、奥さんがいてくれたらどうしただろうとか、もう少しつらくなかったのではないだろうかとか、だけど見守ってくれているから、一人じゃないと言い聞かせてみたり、でも実際一人だし…ということの繰り返し。
そんな健一の目の前に起きる出来事を、自分なりに素直に受け止め、行動して、必死に生きていこうと思いました。
そうすれば、この映画を見た人を少しでも励ましたりできるのではないかと思っています。
飯塚健コメント
本屋で手にしたその日のうちに、夜通し読み続け、幾度となく涙した。
その数日後には、脚本を書き殴った。ほとんど衝動だった。が、葛藤もした。大が付くほど、重松さんのファンだったから。迂闊に映画になどするべきじゃない。一ファンのままでいた方が幸せだ。
…それでも脚本を送らせていただいたのは、「どうしても映画にしたい」という気持ちが勝ったからだ。返答は驚くほど早かった。
すぐに読んでくださり、まだ粗い初稿だったにもかかわらず、映画化の快諾を頂いた。 と、それがおよそ10年前のこと。つまり念願の企画が、多くの力添えを頂き、実現に至りました。40代初めての監督作品です。主演は一人しか居ないと思いました。
山田孝之くんが、若くして妻を喪い、残された娘と生きてゆく父親を演じる、10年に渡る家族の物語、命の物語です。
何を話しても、返事が聞こえなくなってしまった部屋。その部屋の真ん中にある、消えない悲しみと寂しさ。乗り越えられない痛み。それでも娘は成長する。やがて部屋には会話が生まれる。生活の音が二人分になる。
そうやって一歩一歩「育ってゆく」親子の姿を、ぜひ大きなスクリーンでご覧ください。
重松清コメント
パパと一人娘、それぞれの成長物語です。長いタイムスパンのお話だけに、実写化は無理だろうと思っていました。でも、パパを演じてくださるのが山田孝之さんだと聞いて、「おおっ!」とガッツポーズを作りました。
そのグッと握った拳は、クランクアップ後のいまもなお、そのままです。いや、さらに力がこもって、気がつくとVサインに変わっていたりして。
2020年4月3日(金)公開
原作:重松清「ステップ」(中公文庫)
監督・脚本・編集:飯塚健
出演:山田孝之、田中里念、白鳥玉季、中野翠咲、伊藤沙莉、川栄李奈、広末涼子、余貴美子、國村隼ほか
製作プロダクション:ダブ
配給:エイベックス・ピクチャーズ
コピーライト:(C)2020映画『ステップ』製作委員会
公式サイト:https://www.step-movie.jp/