慣れないながらも懸命に芝居する千代によって、一平は「笑かすだけが喜劇と違うてこと」に気づく。もともと芝居があまり好きではなかった一平だが、芝居の面白さに目覚めはじめたのかもしれないというこの先の展開に期待を残した。千代と一平は、家族、主に父からの愛に飢えている者同士。ふたりの絆は今後も強くなっていくことだろう。
この週の一平は、水もしたたるいい男ふうに登場しながら、その後は、芝居をちゃんとやらずに千之助に怒られたり、憂さ晴らしに芸妓遊びをして、千代に眉をひそめられたり。でも、千代が借金のかたに売られそうなことを心配して、テルヲに掛け合いに行くなどいいところもあって、ダメなところといいところを交互に見せた。
一平を演じている成田凌は、「わろてんか」(2017年度後期)に、ヒロインてん(葵わかな)の息子・隼也役で出演。葵よりも年上であると話題になったことと合わせて、隼也の悲願「マーチン・ショウ」とはどういうものか?ということにも注目が集まった。
それから3年、今度はヒロインの相手役で朝ドラ再登場となった。「エール」(2020年度前期)の主人公・窪田正孝が、「ゲゲゲの女房」(2010年度前期)でヒロイン(松下奈緒)の相手役(向井理)のアシスタント役、「花子とアン」(2014年度前期)のヒロイン(吉高由里子)の幼馴染役と三段階を踏んだこと比べると、早い昇進であるといえる。ちなみに「わろてんか」でヒロインの相手役を演じた松坂桃李は、「梅ちゃん先生」(2012年度前期)でも相手役をやって5年後に再び、相手役を演じた。
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