つい先日、2021年度後期作品「カムカムエブリバディ」のヒロイン3人(上白石萌音、深津絵里、川栄李奈)が発表された。朝ドラでヒロインが誰かはとても重要だが、同じくらい大事なのが、ヒロインの相手役だ。ヒロインに共感して見る主に女性視聴者にとって、相手役が魅力的であることで満足感がぐっと上がる。「エール」は相手役が主人公というパターンなのでさておくが、近年の作品を見てみよう。
「スカーレット」(2019年度後期 主演・戸田恵梨香)の相手役は松下洸平。ささやき声で「抱き寄せていいですか」、「キスはいつするのかな」などというソフトなアプローチが受けた。
「なつぞら」(2019年度前期 主演・広瀬すず)は、地元北海道の同士的な相手役に吉沢亮、東京で夫になる相手役に中川大志。若手俳優のなかで演技もビジュアルも申し分ないふたりが揃った。吉沢とは、雪のなかで倒れ込むシーンが青春ラブストーリーそのもの。中川とは、階段から落ちそうになったヒロインの腕を中川が掴むシーンがラブコメふう。
「まんぷく」(2018年度後期 主演・安藤サクラ)は、現在、大河ドラマ「麒麟がくる」で堂々、主演している長谷川博己。布団のなかで「おいで」と妻を抱き寄せる場面に視聴者騒然。
「半分、青い。」(2018年度前期 主演・永野芽郁)は、中村倫也に間宮祥太朗に佐藤健という豪華さ。中村は、花火しながら頬にキス。間宮は雨のなかで踊りながらプロポーズ、佐藤とは、ソファで毛布にくるまれてのキスシーン。ラブストーリーの北川悦吏子の面目躍如、朝ドラではなかなかない様々なラブシーンが描かれた。
思えば、昨今の恋愛ドラマ復活および、キュンブームは「半分、青い。」が火付け役といっても過言ではない。そして昨今の朝ドラはその火付けの意地にかけて(冗談です)、次々とヒロインと相手役にキュンするシーンをつくろうと日夜努力しているようにも感じられる(冗談ですよ)。『おちょやん』の千代と一平には、演劇みたいな劇的なものを期待したい。
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