光秀に平蜘蛛を託す場面について吉田は「松永が『平蜘蛛は自分だ』と言った場面は面白いと感じましたね。平蜘蛛は、一見異様に見えるものの、よくよく見ると理にかなった形をしている、だから美しいと言われています。それが自分だと言うのですから、考えようによっては非常に厚かましいですよね。ですが、松永は、生まれがよくないために己の才覚だけでのし上がった人物。その見方で、姿かたちが一見醜怪な平蜘蛛と重ねるという点では、実感を込めて演じられました」と明かした。
また、光秀と最期に語らうシーンを「思えばこれまで松永の場面は、光秀とのシーンがほとんどなんです。あの場面は、松永と光秀との最後の場面、そして長谷川くんとお芝居する最後の場面でもありました。撮影が始まったのが去年の春でしたから、ずいぶんと長い間、長谷川くんとお芝居していたんだなあと。撮影の際は、いろんな思いが重なって、非常に感慨深いものがありましたね」と振り返った。
作品の初回から光秀と対峙してきた久秀。光秀の変化について尋ねると吉田は「作品の中で、光秀が年齢を重ねていく様を、長谷川くんはすごく上手に演じてらっしゃる。どんどん精悍(せいかん)になっていくし、重みが増していますよね。ところが、2人の最後のシーンでは、堺で初めて出会った頃の光秀がふと蘇ったように感じました。特に光秀の『戦などしたくない、平蜘蛛などいらない!』というせりふの部分では、若いころの光秀をもう一度見たような気がして。本当に、すばらしい演技だったと思います」と語った。
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