――役者・長瀬智也さんの魅力を教えてください。
宮藤:自分で限界を決めずに思いっきりやってくれるのが気持ちいいですね。「ここは笑わせるぞ!」っていうところを、テクニックや小手先でやろうとしないで、力いっぱいやってくれるところがいいなと思います。
あと、導入の部分では細かいところまで気にするんですけど、その後はもう細かい質問が一切ないっていうところもやりやすいですね。
磯山:そうですね。内心ではすごく細かいところまで気にされているんですけど、画面上ではすごくスケールが大きくて、そんなことを気にしているようには感じさせないんですよね。
単にかっこいいとか顔がいいとかではなくて、「こういう人になりたい!」という人を自然にやれる人だと思います。そこには意外と緻密な計算だったり繊細な部分だったりがあるんですけど、そういうのが見えなくて自然なんです。本当に唯一無二の人だと思いますね。
――本作はホームドラマでありながら、西田さん演じる父親の介護の問題や、長瀬さん演じる寿一の息子の学習障害など社会派なテーマも感じられるのですが、何か狙いなどはあるのでしょうか?
宮藤:僕の周りでも、親の介護をすることになった人が結構多くいるんですけど、ドラマでそういう人や作品をあまり見たことがないな…誰もが直面する問題なのに、何で今までドラマで扱うことが少なかったんだろうな…って思ったんです。
そこから、僕と磯山さんと長瀬くんで今までやってきたコメディーのテイストで、ふさぎ込んでいるばっかりじゃなくて、いろんなことを諦めたり悲観的になったりしながらも、「しょうがないよね!」って笑えるような介護のドラマが出来たら面白いよなって思ったんです。
磯山:私もこの5年の間で両親が亡くなりまして、家の話を宮藤さんとすることが多くなったんです。「辛い状況がいつ終わるんだろう…」と考えたら“親が死ぬまでだ”と気づくとか、身近な中にある一番ドラマチックな出来事が、意外と親の生死や余命だったんですよね。
その中ですごく思うところがあって…普通の介護のドラマは見たくないという反応もあるかと思いますが、辛気臭くやるつもりは全然なくて、面白くできたらいいなと。立ち向かうべき価値あるテーマだなと思いました。
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