――完成した作品を見た率直な感想は?
作品自体もそうですし、劇中に出てくる男たちがすごくかっこいい。「ヤクザ映画」というジャンルに分類されるのかもしれないですけど、伝えたいことをちゃんと伝えられている作品だなと思いました。
――同作で演じた由香とは、どんなふうに向き合っていましたか?
自分のままでいいかなって思いました。何か特別に役を作っていくということをせず、自分が感じたままで山本(綾野)という人間と接していけばいいのかなって。だから、何も考えていません(笑)。
――由香はどんな女性だと思いますか?
由香は決して特別な女性ではないんです。たまたまヤクザと言われる人と出会った普通の人なんだと思います。
――そんな普通の女性である由香は、初めて出会ったヤクザの山本に対して割と物怖じせず接していましたよね?
今の人たちも、そういうタイプって多くないですか? あまり物怖じせず、誰に対しても聞きたいことを素直に聞いちゃうような感じ。私も、もしかしたらそういうことが多いのかもしれません(笑)。
――それは昔から?
いえ、最近…かも?(笑) 年齢を重ねてきたからということなんでしょうね。
――山本との出会いの中で、由香が一目ぼれをしたという意識はありましたか?
何かを感じたとしたら“匂い”というか、この人には自分と何か重なるところがあるのかもしれないと思ったのかも。
本当に微妙な感覚なんでしょうけど「もしかして?」って、どこか引っかかるところがあったのかなって。それは、山本が強引だからこそなのかもしれないですね。
――由香が“匂い”を感じた山本の魅力は?
やっぱり、強引なところ。会っている時に何か小さいことをグチグチ言ったりもするけど(笑)、何となく知っている匂いがする。由香は山本のような男とは関わりたくないと思っているような人なんですよ。
でも、そこを普通に飛び越えて山本といる時に自然と笑えたりしたのは何かを感じていたからだと思うんです。
――山本も由香の前ではいつもと違う顔を見せていたような気がします。
(綾野)剛が「こんな俺(山本)、今までいなかったよね」と撮影の合間にスタッフの方たちと話しているのを聞いて「あ、私にしかこの顔を見せていないんだ」って思ったんです。
その時は、剛が他のシーンでどんなことをやっていたのか知らなかったので。何が正解なのかは分からないですけど、由香として山本という人の違う一面を引き出せたらいいなと思いながら演じていました。
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