――綾野さんとはこれまでに何度も共演されていますが、山本と由香として向き合った今回はいかがでしたか?
今まで共演した作品は、彼が主役ではなかったんです。だから、あんなに現場でしっかりしている綾野剛を見たのは初めてだったんですよ。ちゃんと真ん中に立ってみんなのことを見ているなと感じたし、とても心強かったです。
これまでは、どちらかというと天然っぽいことを言ってみんなを笑わせている姿ばかり見てきたんです。だから久しぶりに共演して、こんなに頼りになる人なんだなって改めて思いました。お互い年は取ったけど、ちゃんとやってきたんだねって(笑)。すごく感慨深かったというか、とても芝居がやりやすかったです。
――山本と由香が14年ぶりに再会するシーンはとても印象的でした。
芝居とはいえ、わざとらしく驚くような小賢しいまねはしたくないなと思っていたし、特別に何かできるというわけでもなかったので、剛と久しぶりに会ったことを考えようかなって。
剛とは何度か一緒に仕事をしてきて人間として好きになった気持ちみたいなものを山本と由香の関係に置き換えながら演じてみました。
劇中の関係性とは違うけど、そこに監督からのリクエストを付け加えたら何かしら近いところに着地するのかなと。現場では常に剛が山本として存在していてくれたので、私も無理なく由香としていられたような気がします。
――尾野さんにとって“The Family=家族”と聞いて真っ先に思い浮かぶことは何ですか?
仕事で「家族」「親」「兄弟」といったワードが出てくると必ず自分の家族のことを思い浮かべてしまいます。最近はあまりケンカをしなくなりましたけど、お互いに思っていること言い合える関係。自分にとってすごく温かい存在です。
――2021年の干支は「丑」ということで…、最近「ウッシッシ」と思わず笑ってしまうぐらいうれしかったことは?
「牛」じゃないですけど「猪」を食べました。私が生まれ育った地域では猪を狩って食べる習慣があるんです。実家から猪の肉を送ってもらったので、父のレシピ通りに作った「ぼたん鍋」をマネジャーと一緒に食べました。
――何か特別なレシピなんですか?
特別かどうかは分からないですけど、ベースは豚汁みたいな感じですりごまを大量にかけるんです。
それと、猪の肉は焼くとすごくおいしいんですよ。味付けは塩コショウだけで十分。東京にいても家族のことを感じられる懐かしい味です。
◆取材・文=月山武桜
◆スタイリスト:伊藤佐智子(BRUCKE)/ヘアメーク:江森明日佳(BRUCKE)
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