退団後、2つのドラマでほぼ同時に露出をスタートさせ、一気にお茶の間の注目を浴びる明日海。2014年春から2019年秋まで5年半にわたって宝塚歌劇団の花組トップスターを務め、数々の伝説を残したタカラジェンヌだ。
2003年、宝塚歌劇団89期生として月組公演「花の宝塚風土記/シニョール ドン・ファン」で初舞台。当時の月組トップは紫吹淳だった。2012年、月組で宝塚歌劇団史上初の“準トップ”に就任。トップ就任前ながら、宝塚大劇場公演で当時の月組トップ・龍真咲と役替わりで人気演目のタイトルロール「ロミオとジュリエット」ティボルト/ロミオ役と「ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-」アンドレ/オスカル役を務めた。
花組に組替え後、宝塚歌劇団100周年だった2014年春に花組トップスターに就任。伝統演目「ベルサイユのばら-フェルゼンとマリー・アントワネット編-」でトップお披露目を行うと、以降「エリザベート-愛と死の輪舞-」(2014年)のトート、「ME AND MY GIRL」(2016年)のビル、「ポーの一族」(2018年)エドガー・ポーツネルなど大型演目に次々と主演した。
2018年12月に花組選抜メンバーによるスペシャルステージ「Delight Holiday」で宝塚歌劇団初の舞浜アンフィシアター公演を、2019年6月にはこちらもタカラジェンヌとして初めて横浜アリーナでコンサート「恋スルARENA」を開催するなど“初モノ”にも縁がある。同年11月に退団したが、トップ在任期間5年半は、平成以降のトップで3番目の長さ。それだけファンに愛されたトップスターであったことがうかがえる。
歌劇団内外で数々の大型演目を演出してきた小池修一郎氏も、宝塚時代から明日海を高く評価する演出家の一人。
小池氏は2010年、明日海が準トップに就任する以前の大劇場公演「スカーレット・ピンパーネル」で演出を担当。明日海について「割とクールに見えるタイプで、内側に秘めているものをなかなかギリギリまで出さないようなタイプですが、本番になると結構やるんです」と語るなど、当時のコメントからも信頼感が伺える。
2014年には、トップ就任2作品目として小池氏演出の「エリザベート―」に主演。宝塚を代表する演目で、過去には一路真輝、麻路さき、姿月あさとらが演じたトートを気品あふれる美しさで演じた。
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