――田中哲司さんが演じる“冷泉俊明”の若かりし頃の“鈴木俊明”役ということですが、オファーをもらった時どう思いましたか?
最初にオファーを頂いた時は驚きましたよ。冷泉の若かりし頃の役ということですけど、そんなに昔の話でもないですし、僕ももう40歳ですからね(笑)。そのまま哲司さんがやられた方がいろんなことがスムーズなんじゃないかなって。
でも、そこをあえて“僕に”と言って下さってる時点で...なんかもう面白いじゃないですか(笑)。だから、本当に僕で良いならぜひやらせて下さいと。後悔しても知らねえぞと。
――堤監督の作品では、以前「池袋ウエストゲートパーク」(2000年、TBS系)に出られていましたが、演出方法など変わったりしましたか?
変わらない、堤監督ならではの演出をまた受けることができてうれしかったです。監督の中にしっかりと芯がありながらも、役者から出てくるアイデアを、それが作品として良い方向にいくのであれば取り入れて下さいますし、必要ない場合には「いや、そこはそうじゃなくていい」とすごく的確に判断されるんです。
――臨機応変に、現場の流れを考えて。
そうですね。でも、基本的には監督の中でやりたいことが見えているので、僕としてはそこに付いていく感じですね。
僕にとって初めての連ドラが堤さんの作品だったというのがもちろん大きいんですけど、20年たってまたご一緒できたのがうれしくて。当時、僕なんてただの学生でしたけど、今でもお芝居の中で「いや、ここはこうだ」と言って下さることがありがたかったです。
――そういうやりとりも“20年前と変わってない!”って。
そうです。ドラマの現場は時間のない中、ものすごいスピードで撮影をしなくてはならないので、監督が僕の芝居に対して思うことがあったとしてもシーンとして成立していればOKカットになっている場合もあると思うんです。
だから堤さんが細かいところまでこだわって演出して下さるのはうれしかったですし、昔のようにいい緊張感がありましたね。
――堤監督の現場に戻ってきたといううれしさを感じながら。
はい。「池袋ウエストゲートパーク」の時もそうでしたが、堤さんの中にしっかりとしたイメージがあるので、そこを感じ取って演じていくことが大前提ですけど“監督に面白がってもらいたい”という気持ちもあるので、自分なりに表現したものを「それ、いいね」とか「オッケー、オッケー!」って言ってもらえるとメチャクチャうれしいんです。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)