白鷹先輩にゾッコンの兎束晋作、演じてみてとても魅力的なキャラクターだと思いました。兎束は、23歳の新人だからこその若さとエネルギー溢れる力強さがあり、白鷹先輩をはじめとした先輩方との交流、そして大きな事件をきっかけに段々と刑事の面構えになっていく過程を演じられて楽しかったです。
撮影にあたり、先輩方にはとてもお世話になりました。真木よう子さんの芯の強さとお芝居は、兎束としてはもちろん、僕自身もすごく憧憬の念を抱き、役と共に甘えさせていただきました。眞島秀和さんは役者としても男としてもすごく素敵な方で、僕も20年後、眞島さんのような人になりたいなと思いました。高杉亘さんはバディということで、刑事ならこういう時どうするか?という考え方や所作などいろいろ教えていただき、アクションもご一緒させていただけたので、感謝ばかりの日々でした。
黒木瞳さんの絶対的存在感は、現場をよりリアルにさせる良い緊迫感があり、言葉一つ一つの重みに兎束は刑事としての自覚が芽生えていったと思います。 作中の犯人の犯行のメッセージ性は、現代だからこそ起きてしまう強いモノなので、きっと皆さんとも一緒に考える余白がある作品だと思います。そして、兎束の成長も見届けていただけたらうれしいです。
役を演じる上で、キャラクター作りが一番の課題でした。ただ厳しい、クールなだけではない何かを表現できたらいいかなと思っていたところ、台本にある「本庁は伏魔殿。あの人(福川冴子)はあの人なりに伏魔殿で戦ってる」という草野の台詞を見て、彼女もそこでしっかり自分の職を全うするべく、いろんなものを抑えつけながら世のため人のため、警察官として自覚と誇りを持って生きている人なんだなと思えたので、その言葉を拠り所にしました。
ラストにハクタカと対峙するシーンで、もう一度「伏魔殿」という台詞を提案させていただいて、少し冴子の人物を表現させていただきました。 真木よう子さんとの共演は二回目ですが、キャラクターがブレないので安心感があり、「ハクタカ」と呼ばれる今回のキャラにピッタリだなと思いました。やはり独特な個性をお持ちの女優さんなので、すばらしいなと思います。
今回、コロナ禍での撮影でしたので、世間話をあまり出来ていないため、本庁の捜査一課長と所轄の巡査部長の立場の違いがある中で、その距離感が良い意味でドラマに出ているのではないかなと思います。 脚本が面白く、事件の起承転結が一筋縄ではいかない展開で、犯人がだいたい予想がつくサスペンスが多い中、心地よく裏切られて楽しませていただきました。現在の事件が、過去のある事件と鮮やかに繋がっていく展開が面白かったので、そこを楽しんでいただければと思います。
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