菅田は今作が山田監督作品初出演となるが、「撮影が監督の執念のかたまりみたいなシステムで」と口にし、「他の映画の現場とは段取り、準備の仕方、時間の使い方も違う。山田さんが考えていて止まってて1、2時間たつこともあるし。それだけスタッフの皆さんが山田さんのことを信頼しているし、すごく愛情があるのかと。
またそれだけ粘って撮影しても、次の日リテークすることもあって。それって一見、すごく難しそうに聞こえるんですけど、俳優としてはそんなに求めてもらえることはないので、すごくうれしかったです」と白い歯を見せた。
さらに、今作は映画館で映画を見ることの素晴らしさを強く感じる作品に仕上がっているが、「自身にとって映画館はどんな場所か?」という質問も。
菅田は「今となっては職場のような変な緊張感も持ちつつも、映画を見ているといつのまにか別の世界にいっていて、違う刺激と学びがある。ここで(自分の映画を)流してもらってるんだという、なんか緊張感がありますよね」としみじみ。
最後には、「まさか山田洋次作品の真ん中に立つ、こんな状況になるとは思いませんでした。いろんな出来事があって。でも今、『完成しました』と言えることが、まず一番の喜びだと思いました」と一言一言を感慨深い様子で明かし、「うまく言葉にできないですけど、いろんなことがあり過ぎて、思い入れたっぷりでもう一回しするくらいトークしたい。それだけいろんなことを経て、たくさんのメッセージが詰まっている、映画館で見るべき映画になっていると思います。どうかよろしくお願いします」と熱い口調で語った。
◆取材・文・撮影=TAKAMI
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