“ラブコメ”らしく、キュンとする場面あり、コミカルな場面ありで、元気をもらえるような作品だが、どこか落ち着いていて“大人のラブコメ”という印象を受けた。
まず、鈴木が演じるのは、人付き合いが苦手な変わり者の天才漫画家・刈部清一郎。弟の葬儀にパーカー姿でやって来るため、一目で“変人”だと分かる。そして不器用かつ人付き合いも苦手なようで、自分の漫画のネタのため、あいこに「恋愛しろ!死ぬ気で恋愛してみないか?」と鬼の形相で迫ることに。
鈴木が演じてきた「テセウスの船」(2020年、TBS系)の良きお父さんや、今、再放送もされている「花子とアン」(2014年、NHK総合ほか)の爽やかな笑顔が特徴の“村岡さん”とは、正反対の役柄だ。本作の記者発表で鈴木は、漫画家独特の「孤独感を表現したい」と語っていたが、そのオーラが全身からあふれ出ており、“影”を感じさせた。
さらに、漫画家を演じるにあたって、絵の練習をし、「手元は全部自分で書いてます」と自信あり気に語っていた鈴木。手元が映ることが何度かあったが、想像以上の絵のうまさに驚いた。同じくらい練習したというペン回しと併せて、ぜひ注目してほしい。
一方、吉岡が演じるのは、彼氏なし、お金なしの久遠あいこ。冒頭から、どこか抜けていて、残念な一面が映し出される。それがかわいらしいため、このドラマが癒やしの時間となる人も多そうだ。また、お人よし感もぷんぷんで、“ダメ男ホイホイ”と呼ばれるのも納得のキャラクターである。
あいこは、お金のために清一郎と契約して疑似恋愛を行う。完全なむちゃ振りとも言える清一郎からの“恋愛ミッション”。第1話では、“丸の内OL”になりきり、早瀬(竜星涼)という男性に接近する。
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