<試写室>“不器用な漫画家”鈴木亮平が“残念女子”吉岡里帆を振り回す、大人のラブコメ「レンアイ漫画家」

2021/04/08 06:00 配信

ドラマ

あいこが20代女子の“現実”を映し出す

地味な格好をする普段のあいこ(吉岡里帆・左)(C)フジテレビ


あいこの心の声のせりふで、「もうすぐ30歳になるっていうのに、なんともむなしい現実だ…」というものがあった。私含め、私の周囲にも、この一文に共感する人がたくさんいるだろう。加えて、あいこの一人暮らしの部屋は生活感たっぷりで、20代女子の“現実”が詰まっている。

本当におこがましいが、彼女に自分を重ねられるポイントがいくつかあり、あいこは親近感を覚えるキャラクターでもある。そんなあいこは、丸の内OLになりきろうと、さまざまな雑誌をかき集め、ファッションやメークをけなげに研究。映像では短い時間だが、OLのようにキレイめな格好とメークに挑戦し、キラキラ感が増していく様は、見ていて心が躍った。

しかし、この“変身”は、むちゃ振りの序章に過ぎない。あいこは、人の気持ちを考えない清一郎に振り回され、驚いたり、ムッとしたり、さまざまな表情を見せていく。疑似恋愛ではあるが、その中でも、どうか、私の代わりに良い恋愛をしてほしいと、思わず応援したくなった。

「レンアイ漫画家」第1話より(C)フジテレビ

また、鈴木が本作を「現代版の美女と野獣」と表していたが、それがとても的を得ている気がした。

「家に引きこもっていた恋愛下手の野獣が、あいこという芯のぶれない女の子と出会うことで心の奥に閉まっていた優しさ、恋する感情を思い出し、人間として成長していく…」(鈴木)

初め、清一郎は、あいこに漫画の原稿を触らせないほど拒絶を示す。しかし、2人の距離は、1話だけでも確実に縮まっていく。その場面は、あからさまな“キュン”ではないが、ほんわかする感じ。それが逆に、これからの2人を見守っていきたいと思わせた。

野獣のように閉ざされていた清一郎の心は、あいこによってどのように開いていくのか。一方のあいこは、まともな恋愛をすることができるのか。今後の展開が楽しみだ。

レンアイ漫画家」は、4月8日(木)夜10:00スタート。

◆文=M