好発進の「桜の塔」武藤将吾×田村直己が明かす主演・玉木宏の印象や今後の展開！気になる恋模様にも言及＜インタビュー＞

武藤と田村が描きたい「正義」

――注目してほしいキャラクターは？

田村：今、中盤を撮影しているのですが、中盤までは椎名桔平さん演じる千堂大善の変化に注目してほしいです。今まで以上に武藤さんの愛もあって、千堂はすごいキャラクターに仕上がっていると思います。椎名さんも台本を見て「うそー！」と声を上げていたほどです(笑)。漣や爽(広末)と対峙(たいじ)する一番の悪といいますか、好敵手である千堂の変化、それに伴い、びっくりするような展開が待っているので期待してほしいです。

――「桜の塔」ではどのような「正義」を描きたいという想定はありますか？

武藤：この物語自体が仮面ライダーを書いて、「正義ってこうあるべきだよ」というのを子どもに伝えたくて書いたものと通じている物語です。その一方で、正義はあいまいでもろく、人によって見方が違ってくることで正義の在り方も違ってきます。「正義って何なんだろう？」と考えた時に、正義という輪郭がしっかりしている警察という組織を逆説として描くということがフィクションでやる意味があるんです。ただ一つ声を大にして言いたいことは、本物の警察はこのドラマのように悪いところではないということです(笑)。

田村：僕は子どもにも見てほしいなと思います。個性的なキャラクターが集結して、いろいろな形の正義の価値観を持っています。撮影していて撮りやすい作品でもあり、仮面ライダーに似ている部分もあるので、ついついアクションシーンを入れたくなっちゃいます(笑)。大人がメインではありますが、仮面ライダーきっかけでもいいので子どもにも見てほしいです。

――SNSでの反響はご覧になっていますか？

武藤：僕はどういう反応なのかということは見たりしますが、最初からゴールは決まっているので、反応を見てストーリーを変えるということはありません。ただ、「ここで盛り上がるんだ」「こういうところ意外と盛り上がらないんだ」というのを面白いなと思いながら、次に描く新しい作品で生かしていこうと考えることはあります。作品を見てくれている人たちからの感想はすごく励みになっています。

――「ここで盛り上がるんだ」と思った反響とは？

武藤：「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」(2019年、日本テレビ系)での生徒同士が付き合うか、付き合わないかなどです。自分としては、ここらへんで少しほっとしてほしいなと思った箸休めで書いたシーンだったので反響があったりすると驚きます。今回に関しては、予想以上にびっくりしたのは、牧園役の関智一さんです。牧園課長への反響の大きさ、そして演技のうまさに本当にびっくりしました(笑)。

田村：びっくりしましたよね！　人気がある声優さんだというのは存じ上げていましたけれど、僕たちは声優さんと共演する機会がそんなにないので驚きました。今回、プロデューサーがキャスティングしくれたことで関さんとご一緒させていただいたんですがすごくいい人でした。現場では、スネ夫の声などを気さくになんでもやってくれるんですよ！　関さんは本当に芝居が大好きな方で、自分が出ていないシーンでもずっとお芝居を見ています。SNSでも話題になっていましたけど、“W千秋”になったのはプロデューサーいわく偶然だそうです(笑)。

――ご自身の想像を超えてきたシーンがあれば教えてください。

武藤：何度も言ってしまうんですけど、第2話のラストでは僕の抱いていたイメージの心に迫っていたと言いますか、すごいいいシーンです。細かいことで面白かったのは第1話での佐久間(少路勇介)の土下座です。土下座をしてフェードアウトしていくのは、僕には書けないです。あれを見た時は「すごい」と笑いました(笑)。

田村：大人計画の少路さんが演じていたので、何かやらないとなとは思っていました。パワハラまがいのシーンに笑いを入れておいた方がいいかなということであぁいうシーンになりました。でも本当は、もっといろいろやっていたんですけどね(笑)。

武藤：あとは刑事部長・千堂大善と、警備部長・権藤秀夫(吉田鋼太郎）、警務部長・吉永晴樹(光石研)のシーンはいつまでも見ていたいです。45分このシーンでもいいんじゃないかと思っちゃいました。