“朝ドラと不倫”を振り返る!「おちょやん」一平だけじゃない ヒロインが妻子ある男性に惹かれることも…

2021/04/24 08:00 配信

ドラマ

「おちょやん」第96回 突然劇団を辞めるという灯子(小西はる)(C)NHK

ヒロインが妻子ある男性に惹かれる場合も

朝ドラでも折につけ、浮気や不倫が描かれている。たとえば、前作「エール」(2020年度前期)では、裕一(窪田正孝)がカフェーでシャツに口紅をつけられて音(二階堂ふみ)に浮気を疑われる。これはかなりライトなパターン。

ドキドキしたのは「スカーレット」(2019年度後期)で、喜美子(戸田恵梨香)の弟子・三津(黒島結菜)が夫・八郎(松下洸平)に心惹かれていく。しかし、三津が大事に至る前に去っていき、逆に、健気だと好印象を残した。

朝ドラの視聴者には既婚女性も多く、彼女たちはヒロインに自分を投影して見る。夫が他の女性と浮気するエピソードを見て楽しいはずもない。

ところが逆のパターンで、主人公がステキな人と道ならぬ恋に落ちる場合はときめくときもある。

「カーネーション」(2010年度後期)で糸子(尾野真千子)が妻子ある周防(綾野剛)に惹かれていったときには賛否両論となった。 周防さんがどんなにステキでも、ヒロインが浮気することは道徳観念の高い視聴者たちにとっては歓迎し難かったのである。

ふたりの恋にキュンとなる視聴者もいる一方で、拒否反応を示す視聴者も現れ、糸子の会社の社員(六角精児)が「気色悪いもん もちこまんといてください」と責める場面はまるで一部の視聴者の代弁のようにも見えた。

糸子と周防の恋は良くも悪くもかなりの反響を巻き起こし、以後、不倫描写には気を使われるようになったとまことしやかに語り伝えられている。

現在再放送中の「花子とアン」(2014年度前期)は、花子(吉高由里子)と夫・英治(鈴木亮平)のモデルとされている夫婦の馴れ初め自体が道ならぬ恋だったよう。ドラマでは花子は既婚であることを知らずに恋して、妻が病死してから結婚する展開にマイルド化された。

ただし、花子の心の友・蓮子(仲間由紀恵)が夫(吉田鋼太郎)との結婚生活を嫌って駆け落ちするエピソードを情熱的にドラマティックに描いていて、こちらは肯定的に受け止められているのだから、不思議なものである。

そのうえ花子の父(伊原剛志)の浮気疑惑も描かれていた。こちらはあくまで浮気疑惑に過ぎないが、父、花子、蓮子と主要登場人物の恋には何度もハラハラさせるのであった。

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