尾上右近、初出演の大河ドラマに「始まる前からめちゃめちゃ緊張しました!」<インタビュー後編>

2021/05/08 08:00 配信

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【写真を見る】大河ドラマ「青天を衝け」に出演中の尾上右近 (C)NHK

僕じゃなきゃだめなんだという部分を発見したい

――お仕事の幅が広がる中、現在は大河ドラマ「青天を衝け」に孝明天皇役で出演中です。初めての大河ドラマ出演ですが、いかがでしょうか?

スタジオに入った時に「大河ドラマに出演するんだ!」という実感が湧きましたし、こしらえをして撮影に臨む時にもまた「大河ドラマだ…」と感じました。

僕は2003年の大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」に市川海老蔵のお兄さんが出演されている時にスタジオによく遊びにいかせてもらっていたんです。なんだかその頃を思い出しました。

孝明天皇が作品で初めて登場する第9回(4月11日放送)の時には始まる前からめちゃめちゃ緊張して!
そんな自分に思わず笑ってしまいましたね。


――孝明天皇は「西郷どん」(2018年放送)では中村児太郎さんが演じていらっしゃいましたね。また、「麒麟(きりん)がくる」(2020~2021年放送)では坂東玉三郎さんが正親町天皇を演じており、視聴者としては歌舞伎役者の方が天皇を演じられていると作品が締まるという印象を受けます

“歌舞伎役者が天皇をやる”という枠にいると思うと安心してしまうので、僕はあまり考えないようにしています。

あとは単純になんか悔しくなってしまうので。僕じゃなきゃだめなんだという部分を自分でも発見したいし、だからこそ“自分が歌舞伎役者である”というバックボーンは気にしないですね。

長袴を履いたりする時には歌舞伎役者としてのアドバンテージは感じますけど…。「支度早っ!!」みたいな(笑)。

実際にお芝居している時の勝手は違うし、普通に“役者”として参加しています。

歌舞伎との違いを1番感じるのは音ですかね。

歌舞伎は生の舞台なので、音を聞きながら自分の気持ちを作って芝居をしたりするのですが、テレビの場合は効果音などがない状態での撮影。

なので、放送を見た時にどう音が入るのか、完成した時にどう見えるのか、自分の感情を作る間はどのくらいがいいのか、そういったことを“逆算”できる力がほしいと感じました。

ここは歌舞伎と同じだから…と考えて安心するより、普段自分のやっていることと違う部分を見つけて、それに対して不安な状態でやるという方法の方が、自分は合っている気がしています。